2010年12月28日火曜日

MGHの症例検討会キーワード50 ーコーパス言語学で学ぶ医学英語ー

【背景】学生時代に遡る。ある助教授の先生が、名医になる方法として、New England Journal of Medicine(以下NEJMと略す)のシリーズ”Case records of the Massachusetts General Hospital”を10年間続けて読むことを挙げていた。忙しさにかまけ実行せず、すっかりと藪が身についてしまった。最近、”Better late than never.”という諺に希望を見出し、ぼちぼち目を通すが、単語力の不足が堪える。そこで効率よく単語を覚えるために同シリーズで頻回に使用される単語の単語帳を試作した。

【目的】”Case records of the Massachusetts General Hospital”で使用される単語のうち記憶があやふやな単語の頻度上位50単語の単語帳を試作する。

【対象】”Case records of the Massachusetts General Hospital”を1990年1月4日号から2010年12月23日号までの894回分を対象とした。

【方法】
ステップ1:オリジナル記事の検索
 NEJMホームページからARTICLES→Browse all articles→Case records of the Massachusetts General Hospital→Specific date rangeで”From: Jan 1990 To: Dec 2010”と設定して、Searchボタンをクリック。

ステップ2:テキスト化する。
 テキスト・エディタ(Windowsではメモ帳)を起動して、上記オリジナル記事1回分を1テキストファイルにひたすらコピー&ペーストする。その際、ファイル名はcase+西暦+年間通し症例番号.txtとして適当なディレクトリに保存する。

ステップ3:コンコンダンサーソフトAntConcでWord Listを作成する。
 a) 早稲田大学Laurence Anthony先生のホームページから”AntConc”をダウンロードする。(Windows、MacOS、Linux、それぞれのバージョンがある。)同時に、同ページのOther resourcesから後の設定で使う”Someya Lemma List (with no hyphenated words)”もダウンロードし、zipファイルを解凍しておく。

 b) AntConcの設定する。素のままでは、例えば、be動詞のam、are、is、was、were、been、beingは全部別単語となってしまうので"lemmatisation"の設定が必要になります。Tool PreferencesのWord ListでLemma List OptionsのUse lemma list fileをチェックし、Openボタンを押して、先に解凍した”e_lemma_no_hypen.txt”を選択、Loadボタンを押す。表示されたら、OKボタンを押し、下のApplyボタンを押す。

 c) Word Listを作成する。File→Open Dir...でテキストを保存したディレクトリを開くと、中のテキストファイルが読み込まれる。それから、Word Listタグをクリックし、Startボタンを押す。暫く待つと、下図のように単語の頻度が得られる。



 d)結果を出力する。File→Save Output to Text File... で結果を適当な場所に保存する。デフォルトでは、ファイル名はantconc_results.txtとなる。

4.表計算ソフトで読み込み、整理、出力
 先に出力したantconc_results.txtをタブ区切りの表として表計算ソフトに読み込む。順位や頻度、変化形の列を削除し、分かる単語の行を削除していく。分からない単語が50になったところでその範囲をコピーする。

5.単語帳を作る。
 ブラウザでライフサイエンス辞書オンラインサービスEtoJ Vocabを開き、「英文テキストを入力」の欄に表計算ソフトでコピーした内容をペーストする。オプション設定は、「▼結果を単語帳形式▼で出力する」にして送信ボタンを押す。

【結果】上記の作業で得られた結果を示す。(アルファベット順になっていることに注目)
  1. abrasion □ 摩耗, 擦過, 剥離, 侵食, (病名) 表皮剥脱, 擦過傷, 擦過創
  2. advent □ 出現, 到来
  3. anovulation □ 無排卵, 無排卵症, 排卵障害
  4. apply □ 適用する, 応用する, 申請する, あてはまる, 充てる, アプライする
  5. attach □ 付着する, 添付する, 関連する
  6. bout □ 発作
  7. bruise □ 挫傷, 打撲, 打撲傷, 打身, ((動詞)) 傷つける
  8. concatenate □ 連鎖状の
  9. concomitant □ 随伴性の, 同時の, 併用の, 付随物
  10. confine □ 限局する, 制限する, 限定する, 拘束する
  11. confluence □ (培養細胞が接着面いっぱいに広がった状態) コンフルエンス, 集密
  12. contiguous □ 近接する
  13. corroborate □ 実証する, 確証する
  14. corrugated □ しわが寄った, ひだ状の
  15. debilitate □ 衰弱させる
  16. dehiscence □ (病名) 離開, 披裂, 裂開
  17. depict □ 描写する, 示す, 表す
  18. detach □ 脱離する, 剥離する, 離れる, 引き離す
  19. distinctive □ 特有の, 特徴的な, 弁別的な
  20. ensue □ 後に続く, 結果として起こる
  21. entail □ 必要とする, (必然的に) 伴う
  22. equivocal □ 多義的な, 疑わしい, 不確かな
  23. exclusively □ もっぱら, 独占的に, 排他的に
  24. hallmark □ (顕著な) 特徴, (品質などの) 証明
  25. illicit □ 違法な
  26. impinge □ 衝突する, 侵害する, 影響する
  27. inconclusive □ 決定的でない, 不確定の
  28. inconspicuous □ 目立たない
  29. indolent □ 無痛性の, 緩徐進行型の
  30. nonetheless □ ((文頭で用いて)) にもかかわらず
  31. obviate □ 除去する, 取り除く, 不必要にする
  32. poultry □ (食用の飼い鳥) 家禽, 家禽類
  33. predilection □ 偏向, 偏好
  34. presumably □ おそらく, 多分
  35. profuse □ 大量の
  36. putative □ 推定上の, 仮想の
  37. pyknotic □ 核濃縮の
  38. recrudescence □ 再発
  39. sequester □ 隔離する, 隔絶する, 捕捉する
  40. sessile □ 固着の, ((植物)) 無柄の
  41. spillage □ 溢流
  42. tangle □ もつれ, 濃縮体, ((動詞)) もつれる
  43. tentative □ 仮の, 試みの
  44. tether □ 繋ぎ止める, 繋留する, 係留する
  45. tortuous □ 蛇行状の
  46. tuft □ 房
  47. vault □ (かまぼこ様の形状) 円蓋, ((動詞)) 跳躍する
  48. vicinity □ 近傍, 近く
  49. violaceous □ (皮膚の紫色への変色を指す) 紫色の
  50. whereas □ 他方では, 一方では, ところが, しかるに
【考察】
 コーパス言語学とは、Wikipediaの記載によると、「実際に使用された言語資料の集成をコーパスと呼ぶが、最近では特に電子化された言語資料のことを指す。そのコーパスを利用して、より実際的な言語の仕組みを探る学問がコーパス言語学である。」と説明されている。つまり、従来の規範文法に従った言語学ではなく、実際に書かれたり話されたりする言葉を基にした言語学をいう。医学分野でいうEBM同様、演繹思考から帰納思考へ転換した概念である。コーパス言語学やEBMが言語学や医学の世界にデビューしたのは同時期であるが、これは偶然ではなく、コンピュータにより大量のデータの蓄積・解析が可能になったことが関係していると考えられる。
 コーパス言語学は、文学作品の作者の判定や作品の真贋など文献学に応用されることが多かったが、近年では自然科学の範囲にも応用され始め、科学論文の剽窃判定や精神医学分野では、自殺者の作品や遺書が解析の対象になっている。
 近年、コンピュータや記憶媒体、それらの上で走るソフトの高性能化、低価格化により個人レベルでも大量データの処理が可能になってきた。それに伴い、個人が自分の専門分野に必要なコーパスを作り、解析することが容易になってきた。そこで英語教育界に生まれたのがESP(English for Specific Purpose)という概念である。極論すれば、呼吸器学の研究者は、産婦人科学の文献はもちろん内科学一般の文献でさえ読む必要はないのである。自分の関心分野の文献さえ読めればよいと割り切れば、関心分野の論文を集め、コンコーダンサーソフトで解析すれば、読むのに必要な単語が得られるわけである。AntConc日本語チュートリアルを繙けば、論文を書こうと思ったときも、知っているが使い方の分からない単語の例文がたちどころに得られ、その単語が他のどういう単語と組み合わせて使われるか(コロケーション)を把握することが出来る。

【結語】
 読んだ文献、読みたい英語文献はテキスト化しておくと、コンコーダンサーソフトで解析することにより、テーラメイドの単語帳や例文集を容易に作成することができる。

2010年12月16日木曜日

塵肺患者の肺機能と内科合併症

 今回は、北海道民医連第5回学術運動交流集会で発表した内容の紹介でした。看護師が中心となってまとめたもので、医師の視点とは異なる理解が素晴らしい。

はじめに
  • 2009年に日本呼吸器学会では、喫煙による肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)は全身性疾患であると定義。喫煙による酸化ストレス→肺以外の臓器に影響→動脈硬化性疾患(脳卒中・心筋梗塞)、糖尿病などの合併に関係
  • COPDとは別疾患の塵肺にこの定義は当てはまるのか?
  • COPDアセスメントテスト(以下CAT)による患者個別問診、スパイログラム結果(肺年齢・換気型)、喫煙歴の有無、内科疾患合併例の有無について調査・分析した。
  • Aクリニックは、内科(在宅支援診療所・糖尿病専門外来・禁煙外来など)・小児科・労災科として展開。
  • 一日平均来院患者数400~450名
  • 労災科管理患者数283名(塵肺170名、振動病113名)
  • 内科疾患合併数→動脈硬化性疾患158名→耐糖能異常169名→高血圧174名→脂質異常166名→心疾患51名→脳血管疾患46名→癌疾患46名
塵肺患者のスパイログラム結果
  • 正常型 110名
  • 閉塞型 25名
  • 拘束型 18名
  • 混合型 9名
塵肺患者平均年齢 68.6歳
肺年齢平均 81.2歳
肺実年齢格差 12.6歳
CAT平均値 25.1点
喫煙歴のあるもの 42名
現在の喫煙者 40名
結果
  • 閉塞型、拘束型換気障害の有無は肺実年齢較差に有意差を示した。
  • 正常換気型のものでも肺実年齢較差が+10歳はみられた→従来のスパイログラム基準が日本人にはそぐわなかった結果である。
  • 喫煙歴の有無は肺実年齢較差、CATスコアに差が見られた。
  • 喫煙歴があるものは肺実年齢較差+14.9歳、喫煙歴のないものは+14.6歳であった。
  • 拘束性換気障害、喫煙歴、現在の喫煙、内科疾患の合併の有無は、実年齢に有意差を示した。
  • CATを用いた問診では、大半の塵肺患者では塵肺により呼吸器症状を苦痛と感じているために日常生活に影響されていることを自覚していた。
考察
  • 塵肺患者の肺実年齢の乖離には、喫煙の有無以上に塵肺疾患そのものの影響が見られる。
  • 従来のスパイログラムの基準(Baldwin予測式)は外国人の仰臥位での測定データを基準としており、日本人の肺機能を高く見積もられてきたために正確に反映されていないと考えられる。
  • 今回の調査時の肺機能の評価は従来の基準のために、塵肺患者の肺機能は不当に実際より良いと判断されてきたといえる。
  • 今回の調査時点では、肺年齢が日本人のデータを基にした日本呼吸器学会式によるものであるため、正常換気型においても肺実年齢差が見られた。
  • 肉体労働従事者であった塵肺患者は、年々加齢とともに内科疾患が合併されているが、さらに喫煙歴の有無が肺実年齢較差、呼吸器自覚症状と日常生活に影響を及ぼしている。
  • 塵肺患者の肺機能と内科疾患の合併には加齢と喫煙歴が影響している。
CATとは
  • COPDの状態が患者に及ぼす健康と日常生活に支障度を測る簡単で信頼性の高いツールとして開発された、患者記入式の質問票
  • 総合的に評価し、患者と医師の疾患に対する相互理解を深めることが可能。
  • CAT質問票の記入は数分で行うことが出来る。
  • CAT質問票の内容は8項目の簡単な質問で構成されているため、ほとんどの患者が容易に質問内容を理解し回答することが出来る。
おわりに
  • 今回は、塵肺患者に対して、肺機能評価の指標としてのスパイログラム、肺年齢、COPD評価の質問票であるCAT、喫煙歴と塵肺患者の内科合併症の有無との相関について検討することが出来た。
  • 塵肺はCOPDと同様に進行性の疾患であり、患者自身が症状に慣れてしまうことでその進行に気づかずに健康状態への影響を医師、看護師に伝えることは困難であるため、多くの患者が重症化し生活の質が低下したまま放置されていく恐れがあった。しかし、CAT問診票による評価とスパイログラムにより肺年齢の評価を併用することで、塵肺による健康状態と日常生活への影響を把握し患者個々にあった治療を受けることが出きると考える。
  • 塵肺患者は労災給付という保障がなされている半面、病態としては、年々症状が悪化して日常生活に影響が大きい疾患である。
  • 平均年齢68.6歳の高齢患者層であり、内科疾患合併者が多数存在するためにそれらの疾病管理にも重点が置かれる。
  • 今回塵肺患者170名に対して、CAT問診を行い、塵肺患者が医療従事者側の客観的判断よりは重い自覚症状と日常生活に支障を感じていることが理解でき、患者と共有できた。
  • 今後も、CAT問診票の活用と一人一人の塵肺患者に対して、疾患による影響の共有と援助の展開を目指したい。
参考

2010年10月29日金曜日

【補遺】100bpmの音楽

 心臓マッサージのための100bpmの音楽をどうやって探すか?という質問があったので、Googleで"CPR 100 bpm"とか"BLS 100 bpm"を検索するとお答えしたのだが、洋楽に関して言えば、もっといい方法がありました。
下2つは、DJの為にテンポで曲を探せるデータベースのようです。

2010年10月26日火曜日

家庭医療でマインドマッ プ

 マインドマップとは、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを曲線で繋げていくことで発想を促すアイディア促進技法。Google画像検索で「マインドマップ」を検索すると、実例がたくさん見れる。1977年にイギリスの著述家トニー・ブザンにより提唱され、日本国内では「メモリーツリー」として東大受験漫画「ドラゴン桜」で紹介され有名になった。脳の意味ネットワークによく適合しているので記憶も楽になるらしい。

 マインドマップの提唱者のトニー・ブザンは以下の10項目のガイドラインを定め、それ以外はマインドマップではないとして、商標管理を厳しくしている。 
  1. まず、中央にトピックに関する絵を描く。最低でも三色用いること。
  2. 全体を通じて絵や符号、記号を用いること。
  3. キーワードを選ぶこと。
  4. 文章ではなくキーワードや絵を線の上側に書くこと。
  5. 線は、中心の絵から延ばすこと。曲線で中心近くでは太く、末端へ行くに従い細く描くこと。
  6. 線は、単語や絵と同じ長さで書くこと。
  7. たくさんの色を使うこと。視覚刺激、符号化、グループ化を目的として。
  8. 自己流のやり方を確立すること。
  9. 強調したり関連付けたりすること。
  10. 階層や序列を使ってわかり易さを保つこと。
 こんなことが、「ドラゴン桜」で別名を使わなければならなかった一因かもしれない。しかし、実際にはこのルールを外れた「マインドマップ」が書籍などで紹介されたり、手書きではなくPC上で描くためのソフトウェアやオンラインサービスも存在したりするのが現実である。OS環境を選ばないオンラインサービスを下に挙げておく。
  1. EasyStep: 日本のサービスというところと全て無料というところがウリなのかな。
  2. Attedea: これも日本のサービス。携帯と連携してKJ法+マインドマップという使い方ができるサービス。
  3. Cacoo: これも日本のもの。無料サービスと有料サービスがある。Flashベースのようです。
  4. Mind42.com: 無料で、高機能で、オーソドックス。いち押しのサービスでしょうか。
  5. bubbl.us: ユーザインターフェイスがユニーク。
  6. MindMeister: 無料では3枚までしか作成できない。
  7. Mindomo: タスク管理ができるのがウリ。
  8. Mapul: 無料では2枚までしか作成できない。
  9. Think: シンプルさと異様な外観がウリ。
  10. Text2Mindmap: アウトラインエディタ形式のテキストをマインドマップに変換してくれるサービス。
 百聞は一見に如かず、「家庭医療」をキーワードに上記6番のMindMeisterで作成してみたものを公開します。中途半端なものですが、自由に改変してみてください。


 マインドマップに10年先立ち川喜田二郎氏が唱えたKJ法が小概念から大概念という発想の流れであるのに対し、マインドマップは大概念から小概念という流れであることに注目したい。大局から戦略を組み立てる「鷲の目」のアングロサクソンと末梢瑣末から全体像を描こうとする「虫の目」の日本人の思考法の違いが端的に出ているようで、面白い。どちらが正しいというものでもないので、臨機応変に2つの発想法を使い分けていくのがよいだろう。

最後に、本の紹介をしておく。

2010年10月13日水曜日

終の住処

今日は、MSWの方から「終の住処」としての住宅や施設についての講義があった。
  1. 特別養護老人ホーム:要介護者が対象で、最も低コストであるが、施設不足のため42万人以上の待機者がいる。老健とは異なり、訪看、往診、他科受診が可能。
  2. ケアハウス :60歳以上の身の回りのことができる人が入居の対象で、食事のサービスなどがつく。
  3. 高齢者向け優良賃貸住宅:バリアフリーなどの一定の要件を満たした賃貸住宅のことで、収入に応じた家賃補助制度がある。
  4. 高齢者専用賃貸住宅(高専賃):高齢者のみを対象とする賃貸住宅で、民間の有料老人ホームのように高額な一時金を必要としない場合が多い。
  5. 住宅型有料老人ホーム:介護サービスは見守りなどの生活支援に限定され、介護が必要になった場合は各自で外部介護サービスを申し込む必要がある。
  6. 介護付き有料老人ホーム :介護サービス付きの有料老人ホームで、介護サービスを必要としない段階から必要とする段階まで住み続けることができる。 入居時の一時金や、毎月かかる費用などが高額。
資料・サイトとしては、下記のものを参照。
制度が非常に複雑で、ただでさえ認知機能が衰えてきている高齢者に利用しづらい制度設計になっている。サービスが利用者ではなく、権益確保を優先した、「パーキンソンの法則」の典型例となっているように思うのは、私のみではあるまい。

2010年9月29日水曜日

韓国の医療

年表形式での韓国医療事情の変遷
1962 住民登録法公布→住民登録番号導入
1980 家庭医療学会創設
1989 国民皆保健制度の実施
1997 KoreaMed開始→オープンアクセスの開始
1997 IMF危機→医療の合理化の加速
2000 医療保険の一本化、医薬分業
現在は、下記の変化が継続中
  • IT化:4レスホスピタル(ペーパーレス、フィルムレス、チャートレス、スリップレス)
  • 大規模化:ソウル峨山病院(2670床)、延世大学セブランス病院(2050床)、三星ソウル病院(1933床)、ソウル聖母病院(2050床)、ソウル大学病院(1600床)…いずれも1,000人を越える医師を擁する。
  • 国際化: JCI取得病院(仁荷大学病院、延世大学セブランス病院、ソウル聖母病院、高麗大学安岩病院)
  • 産業化: 済州ヘルスケアタウン(済州島西帰浦市に医療と健康の一大複合施設を建設。)
  • 戦略的医療ツーリズム市場への参入:トップを走るタイ、それを追う韓国(年間100万人→2020年200万人目標)
そして、2012年5月24〜27日 韓国 済州島にてWONCA開催予定
実際に韓国で病気になったときどうすればよいか?
  • ちょっと調子が悪い。→(薬)の看板を探し、薬を購入。
  • 医師の診察を受けたい。→ホテルのフロントに相談するか、2008年に始まった日本語による応急処置、疾病相談、病院案内の電話サービスを利用する。電話番号1339、年中無休で24時間対応している。
  • ブレインアタックやハートアタックの恐れがあり、死の恐怖を感じたとき→救急車の要請、電話番号119
  • 事前に、ツアーやクレジットカード付帯の保険内容を確認しておくことが大切。
  • 現地で健康トラブルに見舞われたときは、緊急性、重症度に応じて対応、緊急性があるのに、日本語対応や帰国に拘っていると、ゴールデンタイムを逸してしまう。
  • 診療の診断書、領収書をもらっておくことが重要。帰国後、診断書に翻訳を添えて国民健康保険で海外医療費払い戻し申請をするのに必要。
韓国情報収集のために
ハングル文字さえ克服すれば、韓国語は以下の理由で日本人にとって一番簡単な外国語とされる。
  • 語彙に漢語や外来語が多い。例)구급차(救急車)、앰뷸런스(ambulance)
  • 語順が日本語と同じ。例)이렇게(このように) 두통이(頭痛が) 심한(ひどい) 것은(ことは) 태어나고(生まれて) 처음으로다(初めてだ).
  • 文法が日本語に似ている。従って論文などを機械翻訳の精度が高い。例)韓国家庭医療学会誌に掲載された論文の要約をエキサイト翻訳で訳したもの。
Survey of Conceptions about Cold in a Local Area Workers' Periodic Health Examination
J Korean Acad Fam Med 2010 Jul; 31(07): 512~522


【英語からの翻訳】
バックグラウンド: 時代、セックス、教育状態、経済状態、この調査による寒さに関する概念について労働者の定期健康診断で行われた基礎データを集めるために。
方法: 1つの会社で働いている1,056人の労働者が、この6月1日から2006年7月7日までの調査のために含まれていました。 私たち
それらから自己によって報告されたアンケートを得ました。 アンケートの内容は、寒さの労働者の一般的特色と、原因と管理でした。 私たちは年令、性別、教育州、および経済状態のそばで寒さに関する概念の真の認識比を分析しました。
結果: セックスと経済状態によると、真の認識比は異なっていませんでした。 時代、'ウイルス'、'細菌'に従って
'寒い天気'は50年代の上で寒さの原因に関して最も低いです。 ‘自己制限疾患'、‘インフルエンザワクチン接種が寒さを予防する、'‘胸への衝撃は痰を取り除くために役立つ'、 ‘暖かい蒸気を吸入するのは減少鼻閉塞に役立つ'‘洗濯手は寒さを予防するために役立つ'、‘領域の多くの人々群衆が冷たさに影響されやすいこと'が50年代の上で寒さの管理に関して最も低いです。 教育状態によると、'ウイルス'、'食物'は50年代の上で最も高かったです。 ‘薬は速く回復する'‘注射療法は速く回復する'‘扁桃腺切除術は寒さを予防すること'を除いて、上の大学教育で他のものが最も高かったです。
教育に従って、年齢層、40年代と'ウイルス'における'ウイルス'だけ、食物で'上記では、50年代は最も高かったです'と述べてください。
上の大学教育で20年代で'インフルエンザワクチン接種は寒さを予防する'40年代、'薬は速く回復する''注射療法は速く回復するところ'で'注射療法は速く回復すること'が最も低かったです。
結論: 時代、教育レベルは寒さに関する概念の真の認識比にかなり関連しました。 したがって、私たちは教育しなければなりませんでした。概念の低認識比。
キーワード: 寒さ。 認識比。 年をとってください。 教育
【韓国語からの翻訳】
研究背景:人口学的特性にともなう風邪に対する理解(利害)程度を把握してみて比重を置かなければならない患者教育基礎資料を得ようと施行した。
方法:2006年6月1日から7月7日まで一介医療センターで検診を受ける1,178人を対象にした。 回収された質問用紙中分析が可能だった1,056部を分析した。 質問用紙は対象者らの一般的特性と風邪の原因、治療に関する内容であり性別、年齢、教育水準、経済水準にともなう風邪に対する理解(利害)程度を分析した。
結果:性別、所得水準にともなう風邪概念の正しい認識率の差はなかった。 年齢帯にともなう風邪の原因に対する質問らで‘ウイルス’、‘細菌’、‘寒い天気’全50代以上で正しい認識率は最も低かったし治療に対する質問らで‘自然に治ることができる疾患だ’、‘インフルエンザ予防接種は風邪を予防する’、‘片道節制酒殷鑑期を予防する’*、‘胸をたたいてくれるのは痰除去に役に立つ’、‘熱い蒸気を吸い込むのは鼻詰まり症状に役に立つ’、‘手洗われる風邪予防に役に立つ’、‘人が多いところは風邪が伝染しやすい'等では全50代以上で低かった。 教育水準にともなう分類では原因では‘はい’と答えた比率が差がなかった‘細菌’、‘寒い天気’、治療では‘インフルエンザ予防接種は風邪を予防する’、‘暖かい水の摂取は痰除去に役に立つ’、‘人が多いところは風邪が伝染しやすい’という質問らを除いた残り質問らで正しい認識率が大学校卒業以上で高かった。 年齢帯別に分けた後教育水準別に分析した時は原因では40代では‘ウイルス’だけ50代以上では‘ウイルス’、‘食べ物’で大学校卒業以上で高かったし20代では‘インフルエンザ予防接種は風邪を予防する’、40代では‘注射を合えば早く治る’だけが50代以上では‘薬を飲んでこそはやくより良い’、‘注射を打てば早く治る’らだけで大学校卒業以上で低かった。
結論:正しい認識率が差がある人口学的特性は年齢、教育水準であったし正しい認識率が低い概念らに対してより重点的に教育しなければならない。
中心単語:風邪;認識率;年齢;教育水準
*原文は、"편도절제술은 감기를 예방한다"で正確な翻訳は「扁桃摘出術は風邪を予防する」。

2010年9月15日水曜日

漢方とは?

今回は、薬剤師から漢方の概論についての講義でした。

漢方の原則
西洋医学のゴールが、母集団の共時的な平均(μ)で、一神教的であるのに対し、漢方でのゴールは、各患者の良好な健康状態、つまり経時的な平均で、多神教的である。テーラーメイド・メディシンと言われる所以である。
漢方の理論
患者の理想的な健康状態と現在の状態を結ぶベクトルが証であり、その証を言語化するための基準が八綱弁証(表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽)である。なかでも虚実の判断は、攻めの治療をするか守りの治療をするかの軸となるので重要。西洋医学でも、「活き」がいいから、手術、「活き」が悪いから保存的治療とか判断しますね。

漢方の診察
  1. 望診:視診のこと。西洋医学と異なるのは、舌の診察が重要視されること。
  2. 聞診:聴診のこと。当時は、聴診器がなかったので、声とか咳とかを聴きました。臭いも聞診に入ります。
  3. 問診:西洋医学と変わりません。現代ではシステミック・レビューや高齢者総合機能評価として体系化されていますが、病気の経過以外に、寒熱、汗、頭、耳、口、身体、飲食、排泄、四肢、婦人の月経妊娠を網羅することが大切です。
  4. 切診:現代の身体診察、検査に該当するものです。漢方で特徴的なのは、脈診や腹診がきめ細かいことです。
ナンバリングしたのは、この順番で優先順位があるからです。望診と切診が矛盾するときは、望診の判断を優先します。
漢方の副作用
もっとも頻度が高いのは、ツムラ128製剤のうち94製剤に含まれる甘草による偽アルドステロン症である。その他重篤な副作用に付いては、ツムラのHPに詳しい。
その他FAQや西洋薬との使い分けについて説明がありました。

2010年8月11日水曜日

オープンソースとオープンアクセス

 オープンソースの文献管理ソフトMendeleyとオープンアクセスの学術文献データベースCiNiiを利用すれば、上記のようなことが10分かそこらで出きるってことを長々と説明してしまいました。
 オープンソースソフトについては、YouTubeで"Revolution OS"というビデオを観て頂ければその経緯が分かるでしょう。
 オープンアクセスとは、ネット上で学術論文を誰でもアクセスできるようにするということです。各研究者が関連分野の雑誌を購読するコストが馬鹿にならないってことやアメリカなどでは税金からの補助を受けてなされた研究成果が納税者に公開されない矛盾から生じた運動。
 方法論には、2つある。「金の道」と呼ばれるオープンアクセスパブリッシングと「緑の道」と呼ばれるオープンアクセスセルフアーカイブという方法である。前者は、オンライン・ジャーナルの形態を残し、アクセスを自由化するという穏健な改革的方法。後者は、極論すれば、ジャーナルを廃し、各施設・各学会・、各人が発表物をネット上にアーカイブするという革命的方法。何故、金と緑の道なのかは、私も正確なところは知らないが、想像するに、ジャーナルという形態をとると、組織運営のため、資金を調達する必要が出てくる一方、セルフアーカイブであれば、各施設や個人が少額を負担するだけで済み、紙も必要がないから、地球環境にも優しいってことなんでしょうか。
 「金の道」の例としては、NEJMなど伝統的ジャーナルが一定期間をおいて論文を無料公開していることやBioMed Centralのような電子ジャーナルが最初から無料公開していることを挙げることができます。「緑の道」には、韓国の家庭医療学会雑誌の例があります。

2010年7月28日水曜日

医療紛争と謝罪


医療メディエーター協会北海道支部主催のメディエーターベーシックコースのファシリテーターを務められた先生から、雑誌「医療安全」の連載「医療紛争と謝罪“Sorry Works Movement”」をもとに、謝罪に関する基礎を講義頂いた。
謝罪とは何か?
  • プロセスとしての謝罪=謝罪行為+謝罪受容
  • 謝罪行為には、責任承認、共感表明の2種類がある。
  • 謝罪行為には、「受容せよ」という要求のニュアンスが含まれてしまう。
  • 謝罪受容には、心理的安定、謝罪行為と向き合う構えが必要なので、時間を要する。
  • 共感表明の謝罪が、責任承認として誤解されることがある。
アメリカにおける情報開示と謝罪促進の動向
謝罪が訴訟に及ぼす影響
  • 訴訟において謝罪が取り上げられることは少ない。
  • 慰謝料が減額されることがある。
  • 責任承認にあたる謝罪では、過失を証明する証拠とされることがある。

2010年7月14日水曜日

クスリのリスクを知る3(つ)の法則

抗MRSA薬ザイボックスTMのインタビューフォーム1によると、国内のデータでは、(1)血小板減少の副作用は、100例中19例、(2)味覚倒錯の副作用は0例であった。それぞれの副作用発生率の95%信頼区間はどのくらいだろうか?後者のように分子がゼロのリスクの95%信頼区間を3秒以内に答えることができるようになるのが今日のSBOで、右掲書に紹介されている「3の法則」。

それだけでは、間が持たないので、比率の95%信頼区間について3つの法則(公式)を並べてみた。

番目の法則:正規近似による母比率の信頼区間。(Wald法)

はじめに
本来なら、副作用の有無のようなカテゴリ変数の確率は二項分布に従うので、ClopperとPearsonの方法2のアルゴリズムを利用するのが、原理的には正確である。統計ソフトRの関数binom.testでは、その方法が採用されている。しかし、統計ソフトを使わないと計算が煩雑で、実用的とは言い難い。そこで実際には、nが充分大きいとき、二項分布B(n,p)が正規分布N(np,np(1-p))で近似されることを利用した下記の式が通常の統計学の教科書には紹介されている。
公式
p=s/nのとき、前提条件として、np > 10 かつ n(1 – p) > 10 であることが必要。
95%信頼区間=p±1.96×√(p(1-p)/n)
例題
(1) 0.19±1.96*sqrt(0.19*0.81/100)= 0.190±0.077 ∴ 11.3~26.7%
(2) np=0になるため計算不能
の法則:Agrestiと Coullの方法

はじめに
Agresti とCoull はWald の方法を修正したものを提案した3。「2の法則」というのは、副作用あり・なしのそれぞれに2例ずつ加える計算方法から名づけてみたもので、一般的な呼称ではありません。この方法では、s=0 の場合やs=nであっても信頼区間が計算でき、さらに、原理的には正確なはずのClopperとPearsonの方法よりも精度が高いと報告されています。
公式
p=(s+2)/(n+4)
95%信頼区間=p±1.96×√(p(1-p)/(n+4))
例題
(1) 21/104±1.96*sqrt((21/104)*(83/104)/104)=0.202±0.077 ∴ 12.5~27.9%
(2) 2/104±1.96*sqrt((2/104)*(102/104)/104) =0.019±0.026 ∴ 0~4.5%
3の法則:ゼロ分子のリスクの推定法

はじめに
「2の法則」で計算可能だが、なにせ面倒と思うのは私だけではないらしい。英語圏では、簡単な方法が医学雑誌の記事4、統計学の教科書5、Wikipedia6など広く紹介されている。原理は、(1-p)n=0.05の両辺対数を取って、n×ln(1-p)=ln(0.05)。テーラー展開の第二項以降をネグると、ln(1-p)≈-pなので、np= –ln(0.05) = ln(20) = 2.9957 ≈ 3
公式
上側95%信頼区間=3/n
例題
(1) 分子≠0なので計算不能。
(2) 3/100=0.03 ∴ 0~3.0%
 ちなみに、例題の副作用は、同じインタビューフォームによると、海外データでは2,367例中血小板減少が9例(0.38%)、味覚倒錯が24例(1.01%)だったそうです。薬剤師さんがメーカーに国内データと海外データの違いについて問い合わせて頂いたところ、理由は明らかではないが、下記の3点が考えられるとのことでした。
  1. 国内試験のほうが、高齢者・重症者が多かった。
  2. 国内外で有害事象の報告義務の程度が異なる。
  3. 海外治験が先行していたため、国内試験では骨髄抑制に注目が集まった。
文献
  1. ザイボックスのインタビューフォー厶http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/400079_6249002F1024_3_1F
  2. Clopper, C.; Pearson, E. S. (1934). "The use of confidence or fiducial limits illustrated in the case of the binomial". Biometrika 26: 404–413.
  3. Alan Agresti, Brent A. Coull Approximate Is Better than "Exact" for Interval Estimation of Binomial Proportions The American Statistician, Vol. 52, No. 2. (1998), pp. 119-126.
  4. Hanley JA, Lippman-Hand A. If nothing goes wrong, is everything all right? Interpreting zero numerators. JAMA. 1983 Apr 1;249(13):1743-5. http://www.medicine.mcgill.ca/epidemiology/hanley/Reprints/If_Nothing_Goes_1983.pdf
  5. Gerald van Belle "Statistical Rules of Thumb" http://www.vanbelle.org/chapters/webchapter2.pdf
  6. Wikipedia英語版 http://en.wikipedia.org/wiki/Rule_of_three_(medicine)

2010年6月23日水曜日

抗MRSA薬の適正使用について


今回は、薬剤師さんから抗MRSA薬の治療薬物モニタリング(TDM)の講義がありました。
TDMには2つの意義がある。
  1. 菌を減少させるのに有効な濃度に達しているかを確認すること(offensive TDM)
  2. 副作用を招くような濃度で推移してないかを確認すること(defensive TDM)
バンコマイシン(VCM)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前と投与終了30分後
  • 治療濃度:ピーク値 60 μg/ml以下、トラフ値 (投与直前) 5~15 μg/ml
  • 副作用:腎障害、聴力障害
  • 用法・用量:40kg以上の成人には1回1gで1日2回投与する。40kg未満の成人または65歳以上の患者には1日1回1gを投与する。1時間以上かけて点滴静注しないとRedneck症候群が起こることがある。
テイコプラニン(TEIC)(タゴシッド®)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前
  • 治療濃度:トラフ値 (投与直前) 10~20μg/mL
  • 副作用:肝障害
  • 用法・用量:成人には初日は初日負荷量として1回400mgを1日2回30分で点滴静注、2日目以降は維持量として1回400mg を1日1回30分で点滴静注する。
アルベカシン(ABK)(ハベカシン®)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前と投与終了30分後
  • 治療濃度:ピーク値 9~20 μg/mL、トラフ値 (投与直前) 2 μg/mL以下
  • 副作用:腎障害、聴力障害
  • 用法・用量:成人には1日1回150~200mgを30分で点滴静注する。
リネゾリド(LZD)(ザイボックス®)
  • TDMは不要とされる。
  • 副作用:骨髄抑制、視神経障害
  • 用法・用量:1日1200mgを2回に分け投与。
参考資料

2010年6月12日土曜日

【補遺】ブックマークレット計算器3つ+α

前回投稿記事の補遺として、3つの自作計算器のブックマークレットを公開します。オンラインストーレジサービスのDropBoxのPublicフォルダにおいたファイルと連携させています。必要な計算器をご使用のブラウザのブックマークバーにDrag&Dropしてお使い下さい。但し、動作の確認は、OSはubuntu 10.4、ブラウザはGoogle Chrome 5.0.375.70 betaの環境でしかしておりません。また、間違いがあっても責任は負いかねます。
  • Bayes:事前確率と検査特性から事後確率を計算します。
  • eGFR:年齢とCre値からeGFRを計算します。
  • BMI:身長と体重からBMIを計算します。
 Google Chromeを使用していると、ブックマークを同期することができるので、職場と自宅で環境を揃えたいとき、OSをクリーンインストールするときなど非常に便利です。同じ働きをするものなら、拡張機能を入れるより、ブックマークレットをブックマークしておく方が良いと思う。個人的に使用しているものを紹介します。
    • Post to CiteULike[LINK]:文献共有サービスCiteULikeに表示されている文献を投稿します。
    • IMPORT TO MENDELEY[LINK]:文献管理ソフトMENDELEYに表示されている文献を読み込みます。
    • 英辞郎のブックマークレット[LINK]:選択した語の英訳・和訳を英辞郎で調べます。
    • Gmailで送信![LINK]:選択したテキストをGmailで送信する。

    2010年6月8日火曜日

    検査結果陽性の場合に病気である確率を知る10の方法

    問題
    突然、上腹部が痛いという主訴で60才男性が来院。診察して急性膵炎の検査前確率を20%と推定した。アミラーゼの感度(急性膵炎の患者さんでアミラーゼが上昇する確率)が80%、特異度(急性膵炎でない患者さんでアミラーゼが上昇しない確率)が80%として、アミラーゼ上昇を見た場合、実際に急性膵炎である確率は、次のどれに一番近いでしょう?
    A 25% B 50% C 75%
    方法1 自然頻度を用いる。
     2002年ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンらの説では、人間の脳は条件付き確率を過つように仕組まれているらしい。実際、右のモンティホール問題があしらわれた「リスク・リテラシーが身につく統計学的思考」という本の中では、法律家や医師という高学歴の人間 でさえも、直感では条件付き確率を誤ってしまうことを実証し、解決策を提言している。時間がない方には、著者による英国医学雑誌への寄稿が参考になる。
     要するに、感度とか特異度とかの分母が異なる確率を排し100人とか1000人とかの切れのよい集団を想定し絶対数で考えましょうということです。そうすると、問題は下のように言い換えられます。
    突発する上腹部痛の100名のうち20名が急性膵炎だとします。これらの急性膵炎の20人のうち16人がアミラーゼが上昇します。急性膵炎でない80人のうち16人でもアミラーゼが上昇します。今、突発する上腹部痛の方がアミラーゼが高かったとして、実際に急性膵炎である確率は?
    方法2 ツリーダイアグラムを用いる。
     上の考え方をマインドマップ風に書き出してみるとすっきりしますね。

                    検査陰性の4名
          急性膵炎の20名 <
                    検査陽性の16名
    100名 <
                      検査陽性の16名
          急性膵炎でない80名 <
                      検査陰性の64名
                       
    方法3 分割表 (Contingency table)を用いる。
     小飼弾氏がブログの記事「直感的な定理の反直観的な帰結」で推奨している方法です。下記のような2×2表を作ってやるというものです。
    TABLE急性膵炎
    非急性膵炎

    アミラーゼ上昇
    16
    16
    32
    アミラーゼ正常
    4
    64
    68

    20
    80
    100

     一般化すると、下図のようになります。矢印の意味は、始点の数値を矢印の方向の小計で割って下さいということです。
    方法4 同心円グラフを用いる。
     イメージ思考が得意な方は、グラフを思い描くのも一つの方法です。

    方法6 ベイズの定理に基づく公式を使う。
     感度は、原因があったときに結果が生じる確率で、今求めたいのは、結果があったときに原因がある「逆確率」。逆確率を得るには、原因の確率を掛けて、結果の確率で割りなさいというのが、ベイズの定理。原因の確率は、有病率。結果の確率は、真陽性の場合と偽陽性の場合の和なので、公式として書けば、下のようになる。


    公式を覚えるのも大変だし、計算が面倒ですね…

    方法7 検査後オッズ=検査前オッズ×尤度比の式を使う。
     そこで役立つのが、「オッズの魔法使い」。競馬をしない方には馴染みが薄いかもしれない。中国語では「発生比」というらしく、あることが起こる場合と起こらない場合の比、勝ち負けの比、表裏の比ということです。ですから、事前確率が20%ならオッズは20/80で0.25となります。
     次に尤度比。尤もらしさの比、疾患のある人において陽性結果がどれだけ出やすいか、つまり真陽性率÷偽陽性率。公式として書いておくと、下式になる。


    これら2つのツールを導入すると、計算自体が簡単で、連続した確率の更新も可能になります。話は逸れるが、0〜1の確率より、0〜∞のオッズのほうが、人間の確率認知に適した表現のような気もしています。例えば、臨床医学の箴言、"to cure sometimes, to relieve often, to comfort always"などは、オッズを用いると「1/2で治し、2/1で和らげ、3/0で慰める」と解釈できるのでした。

    方法8 McGeeの近似を使う。
     確率の増減の近似値は、尤度比を使ってΔP=0.19×lnLRで計算できるらしいです。この方法の弱点は事前確率が0.1〜0.9 の範囲でしか近似しないこと、普通の電卓で計算できないので下表を覚えておかなければならないことです。

    尤度比
    0.1
    0.2
    0.3
    0.4
    0.5
    0.6
    0.7
    0.8
    0.9
    確率の減
    -45
    -30
    -25
    -20
    -15
    -10
    -7
    -5
    -2
    尤度比
    2
    3
    4
    5
    6
    7
    8
    9
    10
    確率の増
    +15
    +20
    +25
    +30
    +35
    +37
    +40
    +42
    +45


    方法9 Faganのノモグラムを使う。
     下のノモグラムをコピーしてラミネート加工して栞として持ち歩くのもありですね。


    方法10 JavaScriptを用いる。

     解法6や解法7の公式をプログラムしておくという裏技。JavaScriptで書いてUSBメモリーに入れとけば、ブラウザさえあれば、OSを問わず使えます。ブラウザがあるなら、"EBM calculator"などをググって使うほうが手っ取り早いのですが、BMIやeGFRの計算などに流用できるので、敢えて拙いスクリプトを上げてみました。
    <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd"><html lang="ja">
    <head>
    <meta http-equiv="content-type" content="text/html; charset=UTF-8">
    <link rev="made" href="hoge.hoge@gmail.com">
    <title>感度と特異度で検査前確率を検査後確率に更新する</title>
    <SCRIPT Language="JavaScript">
    function calc(){
    a=eval
    (document.ebm.pre.value);
    b=eval
    (document.ebm.sens.value);
    c=eval
    (document.ebm.spec.value);
    d=Math.round(b*a/(b*a+(100-c)*(100-a))*10000);
    e=Math.round(c*(100-a)/(c*(100-a)+(100-b)*a)*10000);
    document.ebm.ppv.value=d/100;
    document.ebm.npv.value=e/100;
    }
    </SCRIPT>
    </head>
    <body>
    <form method=post name="ebm">
    検査前確率:<input type="text" name="pre" value="" size="10">%<br>
    感度:<input type="text" name="sens" value="" size="10">%<br>
    特異度:<input type="text" name="spec" value="" size="10">%<br>
    <input type=button name=button value="計算" onClick="calc()">
    <input type=reset value="リセット"><br>
    陽性予測値: <input type="text" name="ppv" size="10">%<br>
    陰性予測値: <input type="text" name="npv" size="10">%<br>
    </form>
    </body>
    </html>

    下のように表示されれば、大成功です。

    2010年5月26日水曜日

    急性膵炎診断と膵酵素に関して

     今日は、研修医の先生による症例報告と膵酵素の実地臨床における活用法のプレゼンでした。
     「急性膵炎」は思い出深い疾患の一つです。医師になって初めてIVHカテを挿入した疾患であり、オーベンから、疾患により対応のテンポを変えなければならないことを諭されたものだ。膵酵素がなかなか覚えられず、「アトリエ」とか語呂合わせで覚えた記憶も蘇る。それなりに経験を積んでクリニックに診療の場を移した今は、少なからず地雷疾患もあるのだが、ここ3年での急性膵炎は経験はゼロ。何故なんでしょう?そんな事情もあり、2010年版ガイドラインが出ていることなんて、今日まで知らなかった。他施設や研修医の先生との交流の大切さを実感した次第です。
     実際のプレゼンを個人情報を特定できないように改変して、"SlideBoom"というスライド共有サービスにアップし、下記に貼りつけてみました。

    2010年4月28日水曜日

    アウトドアでのサバイバル ー自然の中での生き残り術ー

    第9回日本旅行医学会参加の報告です。本学会がモデル学会としているWilderness Medical Societyでベスト指導者賞を受賞されている元米国空軍サバイバルトレーニング教官Peter Kummerfeldt先生の講演がありました。先生は、OutdoorSafeというホームページを開設されています。
     講演の中では、準備の重要性と臨機応変な危機対応力、生き抜くという強い意志、楽観的な考え方を強調されておりました。特に最後のものは「夜と霧」の著者ヴィクトール・フランクルも、逆境においてこそユーモアが必要というようなことを書いていたように記憶する。
     準備においては、予想外の一夜を戸外で過ごさなければならないかもという思考実験が重要。何もアドベンチャー旅行でなくとも、都内で直下型の地震が起こり、交通機関が麻痺してしまったとか、田舎道を走行中、吹雪で立ち往生してしまうとかのケースが想定できる。ありそうなシナリオについてイメージトレーニングしておくとよい。
     実際に必要になるスキルは、シェルター(保温、乾燥、防風)、火を起こす、救難信号を送る、水の確保、外傷の手当てなどで、繰り返し訓練しておく必要がある。例えば演者の先生のサイトで通信販売しているサバイバルキットには、以下のものが入っている。
    • コーデュラポウチ
    • プラスチック・オレンジ・ポンチョ
    • マグネシウム・ファイアスターター
    • 防水マッチケース
    • シグナルミラー
    • ホイッスル
    • フラッギング・テープ
     ファイアスターターやシグナルミラーなどは使うのにちょっとしたコツがいるので、子供にもその使い方を教えておく必要がある。それぞれ100円ライターやCDの裏などで代用してもよいかもしれない。ポンチョがオレンジなのはオレンジ色が一番発見されやすい色であるからとのこと。
     子供は、はぐれると父母に叱られると思って探そうとしてますます困難に嵌ってしまうケースが多いので、普段から迷子になってしまったら、動かないこと、知らない人にでも声をかけて救いを求めることを教えておく必要がある。

    2010年4月14日水曜日

    高齢者総合機能評価

    下記資料をもとに高齢者の総合的機能評価の講義であった。ガイドラインに挙げられているCGA7を引用すると、
    高齢者総合的機能評価簡易版(CGA7)
    1. 意欲(Vitality Index):外来または診察時や訪問時に、被検者の挨拶を待つ自分から進んで挨拶をする=○返事はするまたは反応なし=×
    2. 復唱(HDS-R):これから言う言葉を繰り返して下さい。あとでまた聞きますから覚えておいてくださいね。:桜、猫、電車可能=○ 不可能=×(できなければ(4)認知機能は省略)
    3. 交通機関の利用(Lawton & Brody)外来:ここへはどうやって来ましたか?それ以外の場合:普段一駅離れた町へどうやって行きますか?自分でバス、電車、タクシ−、自家用車を使って旅行=○付添が必要=×
    4. 遅延再生(HDS-R)先程覚えていただいた言葉を言ってください。ヒントなしで全部可能=○ 左記以外=×
    5. 入浴(Barthel Index):お風呂は自分1人で入って、体を洗うのも手助けはいりませんか?自立=○ 部分介助または全部介助=×
    6. 排泄(Barthel Index):漏らすことはありませんか?トイレに行けないときは、尿瓶は自分で使えますか?失禁なし、集尿器自立=○ 左記以外=×
    7. 情緒・気分(GDS):自分が無力だと思いますか?いいえ=○ はい=×
    *あくまでスクリ−ニングなので、異常(×)が検出された場合は、【標準的版】で評価することが必要
    とのことだが、高齢者の自尊心を傷つけるHDS-Rが2項目も入っており、極めつけが質問7。個人的には使いたくない代物。むしろ藤沼 康樹先生が訳された「プライマリ・ケア老年医学」のDEATH SHAFTを高齢者本人の語りの中から埋めていくのが実用的である。
    D-Dressing(着る)
    E-Eating(食べる)
    A-Ambulating(歩く)
    T-Toileting(トイレ)
    H-Hygiene(衛生(入浴))

    S-Shopping(買い物)
    H-Housekeeping(そうじ)
    A-Accounting(お金の管理)
    F-Food preparation(調理)
    T-Transport (乗り物を使う)
    資料
    • 井藤 英喜: “高齢者に対する総合機能評価の有用性と限界”. 日老医誌 (2006); Vol. 43: 690-692 .[PDF]
    • 東京大学医学部附属病院老年病科第3研究室講義資料「高齢者総合的機能評価

    2010年3月10日水曜日

    血液ガス分析のトリビア3題

    1. Astrupの装置
     古い先生は、血液ガス分析のことを「アストラップ」と呼ぶことがある。その由来は、デンマークの医師Poul Bjørndahl Astrup (1915年8月4日 - 2000年11月30日)の名前にある。1950年代初頭、デンマークで猛威をふるったポリオに罹患した鉄の肺を装着する子供たちを多く診るなか、その動脈血がアシドーシスになるのに気づき[1]、臨床化学の領域に入る。PaCO2測定電極を開発し、1956年のRadiometer社の血液ガス分析装置の開発に貢献、その後、デンマーク最初の臨床生化学教授として、酸塩基平衡のノモグラムで有名な、Ole Siggaard-Andersenをはじめ優秀な研究者を育てた。晩年の1990年代初頭に一度来日している。

    2. Mellemgaardの式
     1966年発表にMellemgaardらにより発表された[2]正常人におけるAaDO2の回帰式、AaDO2=AGE×0.21+2.5 SD=7.1のことをいいます。じん肺ハンドブックでは、+3SDをF++の基準としました。つまり、F++の基準値=AGE×0.21+23.8、65歳で37.45で、一歳増えるごとに、0.21ずつ増加するというわけです。この式を知っておけば、100歳の患者さんの基準値も計算できます。

    3. 静脈血ガス分析からPaCO2を推定する。
     酸素飽和度が簡便に分かるようになって、血液ガス分析がどうしても必要という場面も減りつつありますが、PaCO2が知りたいが、すぐに動脈血を採取できないとき、動脈血を採取するつもりで静脈血採取になってしまったとき、どうすればいいでしょう?そんなとき、「ERの裏技 極上救急のレシピ集」で紹介されている下記の公式が役に立ちます。
    PaCO2= PvCO2-6 [3]
    参考文献
    [1] P. Astrup, H. Gotzche, F. Neukirch Laboratory investigations during treatment of patients with poliomyelitis and respiratory paralysis. The British Medical Journal, April3, 1954, 1: 780-786.
    [2] Mellemgaard K. The alveolar-arterial oxygen difference: its size and components in normal man. Acta Physiol Scand. 1966 May;67(1):10-20.
    [3] Can peripheral venous blood gases replace arterial blood gases in emergency department patients? CJEM. 2002 Jan;4(1):7-15.

    2010年2月25日木曜日

    禁煙外来

    施設基準などは、「ニコチン依存症管理料情報」を参照。

    禁煙外来の流れ
    1. 禁煙の動機の語りを傾聴し、保険適応基準を確認。
    2. 持病、特に慢性気管支炎、精神科疾患、腎疾患の有無の確認。
    3. ニコチン受容体とドパミンの関係を説明。
    4. チャンピックスの2つの薬理作用と副作用を説明。
    5. 処方のステップアップを説明。
    6. 手帳記載を指導。
    7. 初回を握手で締めくくる。
    8. 十日目にナースから電話。
    9. 第二、四、八、十二週でフォロー。
    10. 最終日、体重が増えてしまった方には禁煙出来たのだから、減量も可能であること、万が一、また喫煙してしまっても再挑戦の機会があることを説明して、卒煙証書を渡し、握手する。
    キーワードは、握手です。

    2010年1月27日水曜日

    新しい嚥下の解釈-プロセス・モデルについて

    今日の学習会は、リハビリ科のドクターからJeffrey B. Palmerが提唱した嚥下のプロセスモデルについて、爬虫類、四足歩行哺乳類、人間と比較した咽頭の解剖や咽頭の進化の過程で言語の発声が可能になったことなど興味深い話を織り交ぜ、説明して頂いた。内容は、門外漢の私が下手に要約するよりも、下記のe-learningのスライドを見ていただきたい。
    演者の先生が強調されていたのは、有名な5期モデルを含め複数のモデルが存在すること、現実の正常の嚥下は幅広く5期モデルでは説明しきれないことであった。

    個人的な感想として、理論から演繹したモデルと現実から帰納したモデルには、乖離があることはよくあることで、投資の世界では、ファンダメンタルを重視するか、チャートを重視するか、統計の世界でも、理論的な確率を基礎とするか、主観的な確率を導入するかで、それぞれの派閥がある。モデルのユーザとしては、TPOに応じ、役立つモデルを当てはめれば、いいと思ったのでした。

    2010年1月11日月曜日

    無料統計ソフト「R言語」


    【簡単な紹介】
    R言語とは、1984年、AT&Tベル研究所で開発された統計処理言語であるS言語を参考に、ニュージーランドのAuckland大学のRoss IhakaとRobert Gentlemanにより学生の教育を目的に開発された。オープンソースとして開発が継続されているため、世界中の専門家が磨きをかけ、パッケージを追加し、現在では、FDA内部やGoogleでも使用されるに至っています。 Sの先を行くという願いを込めてRと名付けられたそうです。しかし、その短い名称が徒になり、ネットでの関連情報の検索は困難でした。そんな状況を打開するため、Rjpwiki(後述)のような関連情報の集積場所が出来ることとなりました。

    【R本体のインストール】
    1. The Comprehensive R Archive Network のサイトへ行く。
    2. "Download and Install R"の"Windows"をクリック。
    3. "base"をクリック。
    4. "Download R 2.10.1 for Windows"をクリックすると、ダウンロードが開始。
    5. ダウンロードが終了したら、そのファイルをダブルクリックして指示にしたがってインストール。
    【デモ:起動、t検定、ヘルプ、終了】
    • デスクトップにできたショートカットをダブルクリックして起動。
    • 次のスクリプトを実行
    nations<-read.csv("C:/Documents and Settings/foo/デスクトップ/sample.csv")
    asia<-subset(nations, region=="Asia")
    europe<-subset(nations, region=="Europe")
    t.test(asia$area, europe$area)
    • ヘルプ ?foo、help.search("foo")
    • 終了 q()
    【Rcmdrのインストールと実行】
    • R上で、install.packages("Rcmdr") と入力。
    • ダウンロード元を選択して、しばし待つ。
    • R上で、library(Rcmdr) と入力すると、Rcmdrが起動。
    【間奏曲~Rの利点と欠点】

    利点!
    • 無料。ちなみに、JMP 8.0.1 は、176,400円、Dr.SPSS2は102,900円、エクセル統計2008は、41,580円
    • OSを選ばない。Windows、MacOS X、Linuxなど主要なOS版がある。
    • オープンソースなので、バグの修正や統計学の新しい理論の適用が早い。
    欠点? 見方を変えれば利点。解決策も用意されている。
    • リソースが圧倒的に英語→英語の勉強になる。解決策:Rjpwikiの利用、日本語R関連図書
    • コマンドで操作→慣れると、かえって便利。解決策:Rcmdrパッケージ
    【Rcmdrのデモ】
    • データ→データのインポート→テキストファイルまたはクリップボード、URLから…
    • 統計量→平均→独立サンプルt検定…
    【参考図書】
    【参考サイト】