2010年6月23日水曜日

抗MRSA薬の適正使用について


今回は、薬剤師さんから抗MRSA薬の治療薬物モニタリング(TDM)の講義がありました。
TDMには2つの意義がある。
  1. 菌を減少させるのに有効な濃度に達しているかを確認すること(offensive TDM)
  2. 副作用を招くような濃度で推移してないかを確認すること(defensive TDM)
バンコマイシン(VCM)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前と投与終了30分後
  • 治療濃度:ピーク値 60 μg/ml以下、トラフ値 (投与直前) 5~15 μg/ml
  • 副作用:腎障害、聴力障害
  • 用法・用量:40kg以上の成人には1回1gで1日2回投与する。40kg未満の成人または65歳以上の患者には1日1回1gを投与する。1時間以上かけて点滴静注しないとRedneck症候群が起こることがある。
テイコプラニン(TEIC)(タゴシッド®)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前
  • 治療濃度:トラフ値 (投与直前) 10~20μg/mL
  • 副作用:肝障害
  • 用法・用量:成人には初日は初日負荷量として1回400mgを1日2回30分で点滴静注、2日目以降は維持量として1回400mg を1日1回30分で点滴静注する。
アルベカシン(ABK)(ハベカシン®)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前と投与終了30分後
  • 治療濃度:ピーク値 9~20 μg/mL、トラフ値 (投与直前) 2 μg/mL以下
  • 副作用:腎障害、聴力障害
  • 用法・用量:成人には1日1回150~200mgを30分で点滴静注する。
リネゾリド(LZD)(ザイボックス®)
  • TDMは不要とされる。
  • 副作用:骨髄抑制、視神経障害
  • 用法・用量:1日1200mgを2回に分け投与。
参考資料

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