2009年8月26日水曜日

新型インフルエンザとその対策について

全日本民医連学習会での国立感染症研究所感染症情報センターの安井良則氏の講演の伝達勉強会でした。要点を箇条書きに記します。
  • 飛沫感染のため1~2mの濃厚接触により感染が成立する。
  • 医療従事者では、双方マスクなしでの会話、食事をともにすることがレベルIの濃厚接触
  • 臨床症状では、季節型インフルエンザとの区別はできない。
  • 潜伏期間は、2~4日間
  • 迅速検査は相当偽陰性が多い。(NEJM Volume 361:728-729 August 13, 2009 Number 7)
  • 函館の場合定点医療機関11箇所、医療機関数の半分にインフルエンザ患者が受信すると仮定すると、定点当たり報告数40で、実患者は、5,500人いることになる。
  • 全粒子型ワクチンは、早く作れ、効果は高いが、Guillain Barre症候群の副作用がある。
  • スプリット型ワクチンは、Guillain Barre症候群の副作用はないが、ブースター効果はあるものの、プライミング効果に乏しく、製造に手間暇がかかる。
…と書いてきて、静岡がんセンターの大曲貴夫先生の感染症ブログに素晴らしいレビューが投稿されていることを見つけてしまいました。
 社会防衛的な視点での個人的な考えなのですが、新型、季節性によらずインフルエンザ流行期には、発熱フローチャートでタミフルを処方を受けられ、同時に1週間の社会的活動の自粛が受け入れられ、それによる経済的・社会的な損失が生じないような環境の構築が急務だと思います。