2013年7月19日金曜日

8月5日からCOURSERAで医学教育の講義

来月5日から"Instructional Methods in Health Professions Education"という講義が始まります。シラバスは下記の通り。参考書も3冊挙げられています。Amazonへのリンクを張りましたが、いずれもKindle版があります。

1週目(8月5日): Adult Learning Theory
2週目(8月12日):  Intended Learning Outcomes
3週目(8月19日):  Instructional design and individual assessment
  • Multiple-choice question writing
  • Skill assessment
  • Oral presentations
  • Rubrics and standardization
4週目(8月26日):  Instructional techniques: Knowledge Transfer
  • Active learning in large lecture formats
  • Supportive questioning
  • “Big Ticket” technique
5週目(9月2日):  Instructional techniques: Skill Development
  • Simulation
  • Teaching with data
  • Clinical reasoning
6週目(9月9日):  Instructional techniques: Attitudes
  • Reflection
  • Feedback
  • Incorporating art, music, and theater
7週目(9月16日):  Instructional techniques: Teaching with technology
  • Large lecture formats
  • Synchronous vs. asynchronous formats
  • High fidelity clinical simulations
8週目(9月23日):  Application of instructional methods (capstone)
  • Within learners’ specific context
  • Sharing best practices with others

2013年7月13日土曜日

アナフィラキシー・ショックの易学

上記内容で書こうとしたら、統計データが見つからない!断片的に拾い集めて箇条書きにするとると、

  • 1995年~2001年の7年間で食物アレルギーの死亡例19例で、原因内訳は、ソバ、甘海老、チョコレート、マグロが1例ずつ、他不明。
  • 小中高での何らかのアレルギー有病率が、10〜20%程度、アナフィラキシー有病率が0.1〜0.3%程度。
  • FDEIA(food-dependent exercise-induced anaphylaxis)は、有病率0.01%程度。
  • 外因では、ハチ刺傷が多い。
  • 薬剤は、造影剤、人血小板濃厚液、オキサリプラチンなどが多い。

お粗末なデータしか集まらない。しかし、小児の食物アレルギーによる死亡はマスコミの印象よりも、はるかに少ないということはわかった。むしろ、それに比べ、家庭内事故による死亡件数のほうがはるかに多く、先進諸国の中で断トツで、保育内施設での死亡は世界で1番少ないという事実はあまり報道されない。そして、アナフィラキシーショックを現場でエピペンを打たずに搬送されてくる。吉と出るか凶と出るか、資力をつぎ込んで治療をしても、救命しそこねると訴訟になり得る。エビデンスのない特定検診に予算がつぎ込まれ、肝心な疫学データの収集はされていない。何か、日本の社会というものの歪みが透けて見える分野ですね。

参照

2013年7月12日金曜日

急性胃腸炎!と思ったら、SFTS?

NEJMの4月21日号で報告されたSFTSの国内死亡例が13例になったというニュースがあったので、まとめてみた。(まとめている途中で、山口県感染症情報センターのページにまとまっているのを発見…orz)

まとめてみての感想は、もし初診で来たら、まず見逃すだろうなということ。対策としては、50代以上の有熱胃腸炎例では、補液の際に血小板をチェックすることぐらいしか打つ手はないかな。
  1. 2012年秋、山口県の女性、発熱、嘔吐、下痢などの症状を訴え、約1週間後に死亡。 
  2. 2012年秋、愛媛県の成人男性に発熱、食欲低下、下痢が出現した。5日目に死亡。
  3. 2012年秋、宮崎県の成人男性に頭痛、発熱、下痢が出現した。その後脱力感と食欲低下が出現し、発症4日目にウイルス性腸炎の診断で入院となった。入院5日目に死亡。
  4. 2012年夏、広島県の成人男性が死亡。
  5. 2005年秋、長崎県の60歳代男性が死亡。
  6. 2013年4月初旬、鹿児島県の成人女性が死亡。
  7. 2012年6月、佐賀県の60代男性が死亡。
  8. 2013年4月上旬、山口県の60代女性が発熱、意識障害等で入院。約1週間で死亡。
  9. 2012年11月、高知県の60代男性が発熱と全身倦怠感により医療機関を受診。その後、全身症状が悪化し入院治療を行い、9日後に死亡。
  10. 2013年5月24日、愛媛県の90代女性が発熱や吐き気を訴え、医療機関を受診し、6月上旬に死亡。
  11. 2013年5月、高知県の70代男性が死亡。
  12. 2013年5月25日、熊本県天草市の86歳女性に食欲不振などが発症。26日に受診。27日に入院したが6月4日に死亡。
  13. 2013年7月上旬、岡山県の80代女性が死亡。
マダニ媒介性感染症には、他にも日本紅斑熱、Q熱、ライム病、ダニ媒介性脳炎などがあり、山に入るときは皮膚を露出しない、襟口をタオルで覆うなどの予防対策、それでも食われたときは虫体を毟らず医療機関を受診、さらに運悪く、その後体調を崩した時も早めに受診することを広く知らせる必要もある。

医療機関では、ダニツイスターを準備しておくと、除去は容易である。

2013年7月11日木曜日

「コウノメソッド」

「コウノメソッド」とは、名古屋フォレストクリニックの院長、河野和彦先生が提唱する認知症治療の極意。

著書を拝読した限りでは、患者や介護者の身になった治療方針やその経験と裏打ちする知識の深さには、ただ感服するばかりである。ただ、論の展開が性急で、語り口の断定調が、胡散臭さを醸し出している点が残念。

まずは、クリニックのホームページで要旨が公開されているので、試してみて、それぞれが判断するのがいいのかもしれない。参考として、御本人が何を重視されているか、コウノメソッド実践医加入条件を引用しておく。
【加入の条件】
実践医: 
  • パーキンソニズムのある患者には、アリセプトの少量投与が処方できる体制にあること(相対条件)。 少量投与できなければリバスタッチパッチなどを代わりに処方すること。
  • シチコリン注射を施行できる。フェルガード類の効果を否定しない。河野医師の処方が奏功している 患者が来院した場合、紹介状がなくてもその処方になるべく近いものを処方できる。 
協力薬剤師:
  • オーダーメイド処方の大切さを理解し、実践医と協調して難しい調合をすることができる。 抗うつ薬、リスパダールの怖さを理解している。 
協力看護師:
  • ニコリン注射の医師の指示のもとで打つことができる。地元から指示が出ない場合は、 河野和彦医師か もよりの実践医から指示を仰ぐ。
【加入後の権利】
  • 河野医師にメールか FAX で難治患者の診断、治療、調合などについての質問ができる。いつでも脱退できる。
参照:かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」 厚生労働省

2013年7月10日水曜日

2型糖尿病治療の課題と展望

上記タイトルの講演へ出掛けました。ポイントを箇条書きにすると、
  • HbA1cの目標は7.0%
  • 予後を改善するためには、癌死を減らすことが必要。
  • J-DOIT3の結果は2016年にオープンになるということ。
  • 日本人と欧米人の糖尿病は病態が異なり、老化によるDMはサルコペニア対策も同時に考慮すべきこと。
そんなお話でした。ついでに、ジペプチジルペプチターゼ(DPP)IV阻害薬の一覧をどうぞ。
  1. シタグリプチン(グラクティブ®/ジャヌビア®)
  2. ビルダグリプチン(エクア®)
  3. アログリプチン (ネシーナ®)
  4. リナグリプチン(トラゼンタ®)
  5. テネリグリプチン(テネリア®)
  6. アナグリプチン(スイニー®)
  7. サキサグリプチン(オングリザ®)

2013年7月9日火曜日

"No risk, no life."


医者として、「痩せろ、食べるな。」と葉っぱをかけることは多い。一方、在宅で高齢者を診ていると、明らかに食欲のある方のほうが元気だ。(元気だから食欲があるのかも知れない…)だから、高齢には、逆に「しっかり食べましょう。」と急かされることになる。食に関する指導に齟齬を生じることになるが、右の本では総死亡率曲線を援用して、その指導の変節点は70〜75歳が妥当ではないかと論じている。

体重のみをパラメータとすると、そうなのかもしれない。ところが、サルコペニアは「筋肉量の減少」、メタボリックシンドロームは「内臓脂肪の増加」なので、貯筋と減脂の両立は可能なわけだ。実際、サルコペニア肥満というのもある。ただ、体脂肪も筋肉量も正確な値を簡便に測定することは不可能であるため、体重であれこれ語ってしまうことになる。

最近は、信頼性に疑問符がつくものの、家庭用体重計でも体脂肪率が測定できる。これをもとに、除脂肪体重の半分が筋肉量と近似のもと体脂肪率を%Fとすると、下記の式が成り立つ。

筋肉重量/体脂肪重量 = (100 − %F) ÷ 2 × %F

概算式ではあるが、比較的容易に筋肉脂肪比が計算できる。この式の特徴は、体脂肪率のみのパラメータで、体重が関与しないことである。しかし、下記参考文献によると、体脂肪率は生命予後の予測因子としては、あんまりあてにならないようだ[1]。

結局は、BMIあたりを目安にして、食欲旺盛な時期は「過食せず」、食に対する執着が失せてきたら「食べる」という、悪く言うと天邪鬼、良く言うと中庸の食事指導が、今のところ、最善解とならざるを得ない。

医食同源とは宜なるかな、食べることはリスクであり、生きるエネルギー源でもあるのだ。

高齢者の食欲不振の原因の覚え方を附しておく。
"Meals on Wheels" [2]

  • Medication Effects 
  • Emotional Problems (Major Depression) 
  • Anorexia Nervosa or Alcoholism 
  • Late-life paranoia 
  • Swallowing disorders (See Dysphagia) 
  • Oral factors (e.g. Poorly fitting dentures) 
  • No Money 
  • Wandering (Dementia related behavior) 
  • Hyperthyroidism, Hyperparaythyroidism, Hypoadrenalism 
  • Enteric problems (e.g. Malabsorption) 
  • Eating problems (e.g. difficult self-feeding) 
  • Low salt diet or low Cholesterol diet 
  • Stones (Cholecystitis) or social problems (isolation)

文献
[1] Chantal Matkin Dolan, Helena Kraemer, Warren Browner, Kristine Ensrud, and Jennifer L. Kelsey. Associations Between Body Composition, Anthropometry, and Mortality in Women Aged 65 Years and Older. American Journal of Public Health: May 2007, Vol. 97, No. 5, pp. 913-918.
[2]Morley JE, Silver AJ. Nutritional issues in nursing home care. Ann Intern Med. 1995 Dec 1;123(11):850-9.

2013年7月8日月曜日

腰痛のRed Flags

診断で大事なのは、Red Flagsを見落とさないこと。下記の語呂合わせで覚えましょう。
TUNA FISH 
  • Trauma 
  • Unexplained weight loss 
  • Neurological signs 
  • Age 20歳未満55歳以上
  • Fever
  • Intravenous drug use 
  • Steroids for long time 
  • History of cancer
在宅においては、患者さん本人の他、介護者への配慮も必要になります。良質なエビデンスはないのですが、腰椎バンドの使用やボディメカニクスの理解が予防になる可能性があります。

2013年7月7日日曜日

重篤副作用一覧


重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け)」を再構成したリンク集です。個人的な用途で作りましたが、折を見て更新します。

神経・筋骨格系
精神
感覚器

口腔
循環器
呼吸器
消化管・肝・膵
腎臓・泌尿器
代謝・内分泌
血液
皮膚
がん
  • 手足症候群:例)カペシタビン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、フルオロウラシル、テガフール・ウラシル、ソラフェニブ、スニチニブ

2013年7月6日土曜日

認知行動療法

うつ病の非薬物療法の一つに、認知の歪み(cognitive distortion) を正す認知行動療法がある。最近は、マインドフルネスとアクセプタンスなどと仏教の焼き直しみたいな様相を呈していますが、一世代前のデビッド・D・バーンズは、10種類の認知の歪みを挙げています。
  1. 全か無か思考(all-or-nothing thinking) よくイデオロギー闘争のスローガンなどに見られる二者択一思考である。有名なものにPatrick Henryの"Give me liberty, or give me death!"などの言葉があります。Polarized Thinking、“Black and White” Thinking、二分法思考(dichotomous thinking)、悉無律などとも呼ばれます。しかし、実際の世の中は割り切れず、ミスチルのGIFTじゃないけど「白と黒のその間に無限の色が広がってる」わけです。
  2. 過度の一般化(over-generalization) "Never twice without thrice."(2度あることは3度ある)とは言いますが、1,2度失敗したからって、自分は失敗しかしないんだと一般化する必要はありません。エジソンのように“I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.”と開き直ることが肝要です。
  3. 心のフィルター(mental filter) "Is the glass half empty or half full?"(コップは半分入ってるのか半分からなのか?)という有名な質問があります。同じ状態でも、人によって見方が変わってくるものです。
  4. 拡大解釈と過小評価(magnification and minimization) "Make a mountain out of a molehill"(もぐら塚から山を作る)という言葉があります。大袈裟に言う事の比喩ですが、自分について短所を拡大解釈したり、長所を過小評価したりは精神衛生上良く有りません。むしろ、Illusory superiority、above average effect、superiority bias、leniency error、sense of relative superiority、the primus inter pares effect、the Lake Wobegon effectなど色々な名称がありますが、世の中の大半の人が平均以上に優秀と思っているそうで、そのくらい自信過剰なくらいが、調度よいのかもしれません。
  5. 感情的決め付け(emotional reasoning) 感じたことを事実と思ってしまうこと。
  6. マイナス化思考(disqualifying the positive) 自分にとってよいことも裏を勘ぐってマイナスのことに考えてしまうこと。天邪鬼な皮肉屋さんてところでしょうか。 
  7. 結論の飛躍(jumping to conclusions)相手のことを読み過ぎたり(mind reading) 未来のことを予測(the fortune teller error) したりして、それを事実と思い込み、空回りすること。 
  8. すべき思考(should statements)物事をするときに、「~すべき」、「~しなければならない」という強迫観念に似た切迫感や焦燥感に駆られてしまうこと。Albert Ellisは"masturbation"に擬えて"musturbation"と呼んだ。その程度を和らげて、「~したらまし」といった具合に解釈するのがましで、さらには「~したい」と外部強制的でない内面的な動因の高まりへの置き換えです。 
  9. レッテル貼り(labeling and mislabeling) シェークスピアの「ハムレット」に"Frailty, thy name is woman."(弱き者、汝の名は女なり)という言葉がありますが、自分で自分のことを負け犬、負け組、落伍者などのレッテルで自分を括ってしまうこと。
  10. 個人化(personalization)  "Remorse is lust's dessert."(自責は欲望の次)という諺の言うとおり、通常は、食欲、睡眠欲、性欲など基本的な欲求が満たされないと、他人に対する思いやりや自己反省などの余裕はないのが普通です。しかし、大切な人を失うなどのストレス下では無用な自責の念に苛まされることがあります。この過度の自責を個人化と言うそうです。
と書いていて、うつ病の方は基本的に無力な自意識過剰状態にあるのかもしれないと思いました。社会における"one of them"感の喪失と言い換えてもいいかもしれません。そして、自己に執着して、意識上の人間の数 n が少なくなると、正規分布的な考え方が二項分布的になってしまうのも仕方が無いかもしれません。しかし、これは病気の原因なのか、それとも結果なのか難しいところです。老化により世間とのチャンネルが減ることや痛みにより「今、ここ」に繋ぎ止められることが、うつの引き金になるのももっともなことです。そして、認知行動療法が、無我を謳う禅宗に近づいていくのも納得が行くのです。

2013年7月5日金曜日

EBMの復習

紛らわしいEBMの公式をまとめておきます。
疾患あり疾患なし合計
検査陽性真陽性(a)偽陽性(b)a+b
検査陰性偽陰性(c)真陰性(d)c+d
合計a+cb+da+b+c+d
  • 感度(sensitivity) = 真陽性率 = a/a+c
  • 特異度(specificity) = 真陰性率 = d/b+d
  • 有病率(prevalence) = a+c/a+b+c+d
  • 正確度(accuracy) =  a+d/a+b+c+d
  • 偽陽性率(false positive) = type I error = b/b+d
  • 偽陰性率(false negative) = type II error = c/a+c
  • 陽性的中率(positive predictive value) = a/a+b
  • 陰性的中率(negative predictive value) = d/c+d
  • 陽性尤度比(positive likelihood rate) = 感度/(1-特異度)
  • 陰性尤度比(negative likelihood rate) = (1-感度)/特異度

2013年7月4日木曜日

薬疹の分類


  1. 固定薬疹:解熱鎮痛消炎剤、抗菌薬、睡眠剤、抗痙攣薬、精神神経用薬、下剤(同じ部位に繰り返しできる。多くは色素沈着を残す。時に水疱をみる。) 
  2. 蕁麻疹型:抗菌薬、解熱鎮痛剤、局所麻酔剤、造影剤(薬剤を使用して数分以内に現れる。時にショック症状。) 
  3. 播種性紅斑丘疹型(麻疹・中毒疹型):抗菌薬、睡眠剤、解熱鎮痛剤、 抗リウマチ薬、精神神経用剤、利尿剤(ほぼ全身均等に紅斑、丘疹が出る。)
  4. 湿疹型:抗真菌剤、 消毒剤、抗菌薬、 化学療法剤、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤(接触性皮膚炎の様な多彩な皮疹、かゆみが強い、リンパ腺腫大。 パッチテストで陽性が出やすい。) 
  5. 紅皮症型:リウマチ治療薬、抗菌薬、睡眠剤、解熱鎮痛剤、痛風治療剤、精神神経用剤、利尿剤(全身が赤くなり、落屑。肝臓、腎臓障害を伴うことがある。)
  6. 多形紅斑型:抗菌薬、解熱鎮痛剤、睡眠剤、ワクチン(滲出性の紅斑がたいてい左右対称に出る。)
  7. 粘膜皮膚眼症候群型:抗菌薬、解熱鎮痛剤、睡眠剤、ワクチン(多形紅斑の皮疹の他に眼瞼、外陰部、口唇にもびらん、紅斑などが出る。 )
  8. 中毒性表皮壊死剥離型(TEN):抗菌薬、解熱鎮痛剤、睡眠剤、痛風治療剤、抗痙攣薬(死亡率が高い。薬剤摂取後、急に発熱、倦怠感、リンパ腺の 腫脹などを伴い、紅斑、水疱、表皮剥離が体の広い 範囲に生じる。早急な入院治療が必要。 初期の鑑別に咽頭の発赤が参考になる。)
  9. acute generalized exanthematous pustulosis (AGEP):抗菌薬、非ステロイド系消炎剤(間擦部に生じる紅斑、多数の無菌性膿疱を認める。 症状や検査所見は重症を思わせるが、予後は良好なことが多い。)
  10. (扁平)苔癬型:降圧剤、利尿剤、精神神経用剤、不整脈治療剤、手背、両上肢の日光に当たる部位に初発することが多い。(かゆみが激しい。 発病まで数ケ月かかることもしばしばである。) 
  11. 水疱型:睡眠剤、化学療法剤(固定薬疹、多形紅斑型、粘膜皮膚眼症候群型、TENの症状の初期症状と鑑別が重要。 )
  12. 紫斑型:リウマチ治療薬、抗菌薬、睡眠剤、解熱鎮痛剤、痛風治療剤、精神神経用剤、抗癌剤、利尿剤(血液障害による場合と血管壁の障害による場合がある。)
  13. 色素沈着型:経口避妊薬、降圧剤、抗癌剤、精神神経用剤(メラニン色素や薬剤その物の色。)
  14. 痤瘡型:副腎皮質ホルモン、抗結核剤、睡眠剤(背部に多い。時に顔面。)
  15. 光線過敏型:抗菌薬、利尿剤、糖尿病剤、精神神経用剤(顔面、頚部、手から上肢などの日光にあたる部位にできる。 色素沈着や白斑を残すことがある。) 
  16. 結節性紅斑型:抗菌薬、経口避妊薬(下腿伸側の有痛性の紅斑、しこり。 )
  17. SLE型:降圧剤、抗不整脈薬、抗痙攣剤、抗菌薬発熱(リンパ腫大、関節痛などを伴う。 )
  18. 脱毛:抗癌剤 エトレチネート、抗甲状腺剤(主に頭髪。)
  19. 多毛:副腎皮質ホルモン、抗痙攣剤(四肢、体幹時に顔面。) 
  20. 乾癬様皮疹:βブロッカー
  21. 角化異常:砒素(以外に多く、掌蹠に角化が起こる。)

2013年7月3日水曜日

高血圧診療の話題

新札幌循環器セミナーの上記タイトルの講演会へ出かけた。副題は、〜高血圧診療ガイドラインの改定を前にして〜ということだった。一般医科は、例の件のせいかどうか知らないけれど、ガイドラインに関心がないのか、出席者が少ないように感じた。しかし、主な内容は、端野壮瞥町研究をもとにしたお話で、非常に面白かった。JSH2009から血圧とリスクファクターで層別してリスク分類がされたが、その根拠が示されたり、脈拍の速い群で食塩感受性が高いことが示されたり、大変有意義なお話でした。

尿中塩分の簡易測定器があるというのも初耳で、早速調べてみると、「減塩モニタ」なるものがありました。

ここで近年矢継ぎ早に上市されたARBを復習しておくと、
  • ロサルタン(商品名:ニューロタン®) 
  • バルサルタン(商品名:ディオバン®) 
  • カンデサルタン・シレキセチル(商品名:ブロプレス®) 
  • テルミサルタン(商品名:ミカルディス®) 
  • オルメサルタン メドキソミル(商品名:オルメテック®) 
  • イルベサルタン(商品名 アバプロ®/イルベタン®)
例の件の詳細は、参考文献をどうぞ。

2013年7月2日火曜日

心房細動メモ

リスク評価

  • CHADS2スコア: CHF, HT, Age, DM, Stroke
  • CHA2DS2-VAScスコア: CHF, HT, Age, DM, Stroke, Vascular disease, Age, Sex category
  • HAS-BLEDスコア: HT, Abnormal renal/liver function, Stroke, Bleeding, Labile INRs, Elderly, Drugs/alcohol

抗凝固薬

  • warfarin
  • プラザキサ(ダビガトラン)
  • イグザレルト(リバロキサバン)
  • リクシアナ(エドキサバン)
  • エリキュース(アピキサバン)

症状除去

  • リズムコントロール 不要だが、患者の希望で行う場合、腎排泄で半減期の短いサンリズムと肝代謝で半減期の長いアスペノンあたりを知っておく。
  • レートコントロール 110bpm程度で
  • カテーテルアブレーション 効果は慢性で60%、発作性で90%程度。1/1000の死亡リスクに見合うか?

参照

2013年7月1日月曜日

プライマリ・ケア医のためのうつ病診療講座

シオノギ製薬(4507)のMRさんが持って来てくれていた「プライマリ・ケア医のためのうつ病診療講座」を本日視聴。箇条書きでメモ。