2013年7月4日木曜日

薬疹の分類


  1. 固定薬疹:解熱鎮痛消炎剤、抗菌薬、睡眠剤、抗痙攣薬、精神神経用薬、下剤(同じ部位に繰り返しできる。多くは色素沈着を残す。時に水疱をみる。) 
  2. 蕁麻疹型:抗菌薬、解熱鎮痛剤、局所麻酔剤、造影剤(薬剤を使用して数分以内に現れる。時にショック症状。) 
  3. 播種性紅斑丘疹型(麻疹・中毒疹型):抗菌薬、睡眠剤、解熱鎮痛剤、 抗リウマチ薬、精神神経用剤、利尿剤(ほぼ全身均等に紅斑、丘疹が出る。)
  4. 湿疹型:抗真菌剤、 消毒剤、抗菌薬、 化学療法剤、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤(接触性皮膚炎の様な多彩な皮疹、かゆみが強い、リンパ腺腫大。 パッチテストで陽性が出やすい。) 
  5. 紅皮症型:リウマチ治療薬、抗菌薬、睡眠剤、解熱鎮痛剤、痛風治療剤、精神神経用剤、利尿剤(全身が赤くなり、落屑。肝臓、腎臓障害を伴うことがある。)
  6. 多形紅斑型:抗菌薬、解熱鎮痛剤、睡眠剤、ワクチン(滲出性の紅斑がたいてい左右対称に出る。)
  7. 粘膜皮膚眼症候群型:抗菌薬、解熱鎮痛剤、睡眠剤、ワクチン(多形紅斑の皮疹の他に眼瞼、外陰部、口唇にもびらん、紅斑などが出る。 )
  8. 中毒性表皮壊死剥離型(TEN):抗菌薬、解熱鎮痛剤、睡眠剤、痛風治療剤、抗痙攣薬(死亡率が高い。薬剤摂取後、急に発熱、倦怠感、リンパ腺の 腫脹などを伴い、紅斑、水疱、表皮剥離が体の広い 範囲に生じる。早急な入院治療が必要。 初期の鑑別に咽頭の発赤が参考になる。)
  9. acute generalized exanthematous pustulosis (AGEP):抗菌薬、非ステロイド系消炎剤(間擦部に生じる紅斑、多数の無菌性膿疱を認める。 症状や検査所見は重症を思わせるが、予後は良好なことが多い。)
  10. (扁平)苔癬型:降圧剤、利尿剤、精神神経用剤、不整脈治療剤、手背、両上肢の日光に当たる部位に初発することが多い。(かゆみが激しい。 発病まで数ケ月かかることもしばしばである。) 
  11. 水疱型:睡眠剤、化学療法剤(固定薬疹、多形紅斑型、粘膜皮膚眼症候群型、TENの症状の初期症状と鑑別が重要。 )
  12. 紫斑型:リウマチ治療薬、抗菌薬、睡眠剤、解熱鎮痛剤、痛風治療剤、精神神経用剤、抗癌剤、利尿剤(血液障害による場合と血管壁の障害による場合がある。)
  13. 色素沈着型:経口避妊薬、降圧剤、抗癌剤、精神神経用剤(メラニン色素や薬剤その物の色。)
  14. 痤瘡型:副腎皮質ホルモン、抗結核剤、睡眠剤(背部に多い。時に顔面。)
  15. 光線過敏型:抗菌薬、利尿剤、糖尿病剤、精神神経用剤(顔面、頚部、手から上肢などの日光にあたる部位にできる。 色素沈着や白斑を残すことがある。) 
  16. 結節性紅斑型:抗菌薬、経口避妊薬(下腿伸側の有痛性の紅斑、しこり。 )
  17. SLE型:降圧剤、抗不整脈薬、抗痙攣剤、抗菌薬発熱(リンパ腫大、関節痛などを伴う。 )
  18. 脱毛:抗癌剤 エトレチネート、抗甲状腺剤(主に頭髪。)
  19. 多毛:副腎皮質ホルモン、抗痙攣剤(四肢、体幹時に顔面。) 
  20. 乾癬様皮疹:βブロッカー
  21. 角化異常:砒素(以外に多く、掌蹠に角化が起こる。)

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