2010年9月15日水曜日

漢方とは?

今回は、薬剤師から漢方の概論についての講義でした。

漢方の原則
西洋医学のゴールが、母集団の共時的な平均(μ)で、一神教的であるのに対し、漢方でのゴールは、各患者の良好な健康状態、つまり経時的な平均で、多神教的である。テーラーメイド・メディシンと言われる所以である。
漢方の理論
患者の理想的な健康状態と現在の状態を結ぶベクトルが証であり、その証を言語化するための基準が八綱弁証(表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽)である。なかでも虚実の判断は、攻めの治療をするか守りの治療をするかの軸となるので重要。西洋医学でも、「活き」がいいから、手術、「活き」が悪いから保存的治療とか判断しますね。

漢方の診察
  1. 望診:視診のこと。西洋医学と異なるのは、舌の診察が重要視されること。
  2. 聞診:聴診のこと。当時は、聴診器がなかったので、声とか咳とかを聴きました。臭いも聞診に入ります。
  3. 問診:西洋医学と変わりません。現代ではシステミック・レビューや高齢者総合機能評価として体系化されていますが、病気の経過以外に、寒熱、汗、頭、耳、口、身体、飲食、排泄、四肢、婦人の月経妊娠を網羅することが大切です。
  4. 切診:現代の身体診察、検査に該当するものです。漢方で特徴的なのは、脈診や腹診がきめ細かいことです。
ナンバリングしたのは、この順番で優先順位があるからです。望診と切診が矛盾するときは、望診の判断を優先します。
漢方の副作用
もっとも頻度が高いのは、ツムラ128製剤のうち94製剤に含まれる甘草による偽アルドステロン症である。その他重篤な副作用に付いては、ツムラのHPに詳しい。
その他FAQや西洋薬との使い分けについて説明がありました。

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