今回は、第125回北海道診療情報管理研究会に参加された先生から、聖路加国際病院院長福井次矢先生の御講演「QIを用いた医療の質改善の試み」の報告でした。聖路加国際病院におけるQIの成果は発行され、Amazonでも入手でき、同病院のサイト "[医療の質]を測る"で公開されています。
医療の質:DonabedianのSPOモデルが1966年に提唱される。
- Structure (resources and administration)
- Process (culture and professional co-operation)
- Outcome (competence development and goal achievement)
- 患者満足度(外来患者)
- 患者満足度(入院患者)
- 死亡退院患者率
- 入院患者の転倒・転落発生率、損傷発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- 退院後6週間以内の緊急再入院率
- 予防可能であった可能性のある静脈血栓塞栓症の発生率、手術患者における入院中の静脈血栓塞栓症の発生率
- 褥瘡発生率
- 糖尿病患者の血糖コントロール、HbA1c<7.0% (HbA1c (JDS) <6.6%)
- 急性心筋梗塞患者のアスピリン投与率
- 手術患者における静脈血栓塞栓症の予防行為実施率
上記のように公開するだけでも、ホーソン効果、ベンチマーキングとしての効果などから医療の質の向上が期待できるが、さらには個人・組織の行動変容のための方略が必要となる。例えば、マニュアルの改訂、勉強会や研修会、フィードバック、P4P(pay-for-performance)など。しかし、ネガティブなP4Pは米国では医療現場に影を落としているらしい。