論文の紹介:肥満や喫煙が感染するということで、教授の著書の日本語訳「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力 」が話題になりました。同書でも引用されておりますが、NEJMで発表されたものを挙げておきます。
- The Spread of Obesity in a Large Social Network over 32 Years Nicholas A. Christakis, M.D., Ph.D., M.P.H., and James H. Fowler, Ph.D.N Engl J Med 2007; 357:370-379 July 26, 2007
- The Collective Dynamics of Smoking in a Large Social Network Nicholas A. Christakis, M.D., Ph.D., M.P.H., and James H. Fowler, Ph.D.N Engl J Med 2008; 358:2249-2258 May 22, 2008
- Gephi: お薦めソフト。詳しくは、他のブログで書いた投稿「ネットワーク可視化ソフトウェアGephiの覚書」を参照して下さい。
- Cytoscape: 日本人が開発しているらしい。
- Pajek: 日本語の解説書「Pajekを活用した社会ネットワーク分析 」がある。Windows版のみ
- R +sna, igraph: 日本語の解説書「ネットワーク分析 (Rで学ぶデータサイエンス 8) 」がある。
- 「マンガでわかる複雑ネットワーク 巨大ネットワークがもつ法則を科学する (サイエンス・アイ新書) 」
- 「「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ (ブルーバックス) 」
- 「なぜ3人いると噂が広まるのか (日経プレミアシリーズ) 」
- 「「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書) 」
Gephiを使った漢方薬製剤のネットワークの視覚化
本題は、WONCA APRカンファレンスでの発表だが、上に紹介したGephiを使って、ツムラの漢方薬128製剤のネットワークグラフを作成しました。エッジは共通する生薬です。modularityでグループ分けし、ローカルクラスタリング係数でノードを並べ替えて、レイアウトしました。みっともない英語を晒すのも気が引けるので、結論のグラフだけ下記に示します。
地下鉄の路線図のようなグラフですが、大雑把に同じような作用の薬剤が同じ路線に配置され、その群で特徴のある薬剤がターミナルに位置するように配置されています。主催国が韓国だったので、四象医学に敬意を表してちょっと無理して4群にまとめたこと、共通生薬の個数だけを取り上げて量や種を無視していることなどから実際の漢方理論との齟齬は生じているが、ビジュアルに薬の傾向を把握できるので、ある程度の漢方理論を学んだあとのリファレンスとしては有用である。さらに、レイアウトを変えたグラフもこちらに用意した。