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2014年1月8日水曜日

ベニテングタケ、サリン、マラチオン

中毒症候群(toxidrome)は臨床症状で下記に分類される。

  1. Sympathomimetic toxidrome
  2. Cholinergic toxidrome
  3. Anticholinergic toxidrome
  4. Salicylate
  5. Serotonin
  6. Opiate toxidrome.
  7. Sedative/hypnotic toxidrome.

なかでも、2番目のcholinergicの症状の記憶法は、“SLUDGE-BBB” (Salivation、Lacrimation、Urination、Diarrhea、Gastrointestinal upset、Emesis、Bronchorrhea、Bronchospasm、Bradycardia)や"DUMBBELLS"(Diarrhea、Urination、Miosis、Bradycardia、Bronchospasm、Emesis、Lacrimation、Lethargy、Salivation、seizures)が有名。
原因物質には、旬なもの、身近なものが多い。マラチオンなどの有機リン系殺虫剤、カーバメート(カルバミン酸塩)、クサウラベニタケ、ツキヨタケ、テングタケ、イッポンシメジ、タマゴタケモドキなどのキノコ 毒やフィゾスチグミンなど。そもそも、ムスカリン自体が、ベニテングタケ(Amanita muscaria)に由来している。拮抗薬として、ベラドンナ(Atropa bella-donna)に由来するAtropineを用いる。

2013年7月13日土曜日

アナフィラキシー・ショックの易学

上記内容で書こうとしたら、統計データが見つからない!断片的に拾い集めて箇条書きにするとると、

  • 1995年~2001年の7年間で食物アレルギーの死亡例19例で、原因内訳は、ソバ、甘海老、チョコレート、マグロが1例ずつ、他不明。
  • 小中高での何らかのアレルギー有病率が、10〜20%程度、アナフィラキシー有病率が0.1〜0.3%程度。
  • FDEIA(food-dependent exercise-induced anaphylaxis)は、有病率0.01%程度。
  • 外因では、ハチ刺傷が多い。
  • 薬剤は、造影剤、人血小板濃厚液、オキサリプラチンなどが多い。

お粗末なデータしか集まらない。しかし、小児の食物アレルギーによる死亡はマスコミの印象よりも、はるかに少ないということはわかった。むしろ、それに比べ、家庭内事故による死亡件数のほうがはるかに多く、先進諸国の中で断トツで、保育内施設での死亡は世界で1番少ないという事実はあまり報道されない。そして、アナフィラキシーショックを現場でエピペンを打たずに搬送されてくる。吉と出るか凶と出るか、資力をつぎ込んで治療をしても、救命しそこねると訴訟になり得る。エビデンスのない特定検診に予算がつぎ込まれ、肝心な疫学データの収集はされていない。何か、日本の社会というものの歪みが透けて見える分野ですね。

参照

2012年4月10日火曜日

【番外】トリカブトとニリンソウ

本日の函館新聞のトップ記事は、「トリカブト誤食による死亡事故」であった。亡くなられた方には、御冥福をお祈り申し上げます。トリカブトが含むアコニチンの有毒性は、漢方薬で使われる附子の修治や毒矢に使われる毒として、我々の文化に根付いて認識されているはずなのに、その取り違えは繰り返されてしまう。医療現場でも、似た名称の薬の誤投薬の事故などが後を絶たない。似たものは、間違え易いという当たり前の事実がある。推測するにダブルチェックの不在が、この様な悲劇を繰り返す根本となっているのであろう。ちなみに、トリカブトとニリンソウの区別は、根を掘って、その形を確認することが大切とのこと。根本を大切にする、実に示唆的である。

2011年8月24日水曜日

家庭医のEpley手技


BPPVの症状
  • Attack:突然発作的に起き、短時間持続し、特定頭位で繰り返すめまい。
  • Blurred:回転するというよりも目がぼやけるという感じ。
  • Check Complications:難聴、耳鳴、失神、眼前暗黒感などは認めない。
BPPVの診断:Dix-Hallpike法
  1. 座位にて水平に左45°回旋する。
  2. その位置から懸垂頭位に落とし込む。
  3. 右側も同様に検査。(右側は左側の2倍の頻度らしい…)
BPPVの治療:Epley法
  1. 懸垂頭位で患側に45°頸部を捻転し維持。
  2. 懸垂頭位を保ちながら頭部を徐々に健側下に90°捻転し維持。
  3. 頸部捻転を維持しながら健側下の側臥位にして維持。
  4. 頭部を屈曲して座位にする。
言葉にすると分かりづらいが、イメージとしては頭側から患者さんを見て金庫のダイヤルと見做す。首を内側のダイヤル、肩(胴体)を外側のダイヤル、1クリック45°とすれば、まず患側に内側のダイヤルを1つ、そして反対側に2つ、次に外側のダイヤルを反対側に2つ。結果として内側のダイヤルである首は、正面から患側に3つ分移動している。そこから座位へさせるので患側と反対側のベッドサイドに腰掛けて終了である。YouTubeに多くの動画が投稿されているので、一度見ておいてください。


疑問:非専門医である家庭医がEpley手技を行った場合でも有効か?
⇒今回は、参考文献1をGATE frame(参考文献2)の方法で、Critical Appraisalを行って見ました。

参考文献

  1. Canalith repositioning maneuver for benign paroxysmal positional vertigo: randomized controlled trial in family practice. Canadian Family Physician June 2007 vol. 53 no. 6 1048-1053
  2. The GATE frame: critical appraisal with pictures. Rod Jackson University of Auckland, New Zealand.

2011年6月14日火曜日

脱水症の診断と治療

【病因学】
  • 水不足、飲水行動が取れない、口渇がない
  • 環境(高温環境、航空機内*などの乾燥環境)
  • 疾患による発熱、嘔吐・下痢
*航空機内は、湿度が10%程度で、1時間あたりの不感蒸散80mlにもなる。

【診断】
小児の場合:
  • capillary refill test:LR+ 4.1、LR- 0.57
  • 涙液:LR+ 2.3、LR- 0.54
  • 全体の外観:LR+ 1.9、LR- 0.46
  • 眼球陥凹:LR+ 1.7、LR- 0.49
  • 粘膜・皮膚の湿潤性:LR+ 1.7、LR- 0.41
成人の場合:
  • 尿比重(USG)>1.020 :LR+ 11、LR- 0.09
  • capillary refill test:LR+ 6.9、LR- 0.7
  • 眼球陥凹:LR+ 3.4、LR- 0.5
  • 腋窩の乾燥:LR+ 2.8、LR- 0.6
  • 舌の乾燥*:LR+ 2.1、LR- 0.6
  • 口腔の乾燥:LR+ 2.0、LR- 0.3
  • 舌の縦皺:LR+ 2.0、LR- 0.3
  • tilt test(起立で脈拍が30回以上増加、但し臥位で2分間、立位で1分間以上経過して測定すること):LR+ 1.7、LR- 0.8
*漢方で五苓散をはじめとする水利薬の適応となる所見、舌の歯圧痕は軽い脱水の所見なのかもしれない。

【治療】
経口補水液(ORS)


既製品を利用

Na
ブドウ糖浸透圧
OS-1 50mEq/L
20mEq/L
2.5g/dl
270mOsm/L
アクアライトORS
35mEq/L
4.0g/dl
200mOsm/L
ソリタ-T顆粒3号
35mEq/L
3.42g/dl 
199mOsm/L
ソリタ-T顆粒2号
60mEq/L
1.6g/dl

スポーツドリンク500mlを半分に薄めたものに1gの塩を加える(塩1g=17mEq/L)

Naブドウ糖
アクエリアス
14.8mEq/L
4.7g/dl
307mOsm/L
ポカリスエット 
21mEq/L
6.7g/dl
323mOsm/L

完全自炊

Naブドウ糖浸透圧
WHO-ORS(1975年)*
90mEq/L
2.0g/dl 
311mOsm/L
WHO-ORS(2002年)**
75mEq/L
1.35g/dl
245mOsm/L
American Academy of Pediatrics
40~60
2.0~2.5
ESPGHAN***
60
1.6
240mOsm/kg
*コレラ(便中Na120mEq/L)を想定
**通常の胃腸炎(便中Na50mEq/L)を想定
***European society of Pediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition
具体的なレシピを下記に記す。

清潔な水1Lを確保する
  • 煮沸(熱いままPETボトルに入れないように注意)
  • 水を浄化する安くてよい方法は、清潔な透明の容器に水を入れて、直射日光に最低 6時間晒す。もしも曇り場合は、2日間晒す。
  • 緊急避難的に化学的な消毒の方法があり、手法としては、水1リットルに塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム6%の製品。「ピューラックス」)を3滴入れ、よくかきまぜる。30分ほど放置してから使う。
上記に調味料のサ・シ・スを加味。
  • 砂糖(ショ糖) 40g大さじ4杯+小さじ1杯
  • 塩 3g小さじ3分の1
  • 酢として、100%グレープフルーツジュース、あるいはレモンジュースを好みに応じて30~100ml追加。(なけらばなくて構わないが、味の調節、クエン酸、カリウムの補充のために。)
参考
  • 小さじ=5cc、塩なら5g、砂糖なら3g相当(ペットボトルのキャップで代用可能)
  • 大さじ=15cc、塩なら15g、砂糖なら10g相当
  • 塩少々=親指と人差し指でつまんだ程度、小さじ1/8相当
  • ひとつまみ=親指と人差し指、中指でつまんだ程度、小さじ1/4相当
持続皮下注射
  • 腹壁や肋間の皮下に刺したプラスチック留置針から5~24時間で500-1000ml程度の補液をします。
  • 注射液のため少しむくみますが,時間をかければ吸収されます。
  • 等張液(血液と同じ濃さの注射液)であれば痛みは少なく副作用も最小限です。
点滴

Naブドウ糖浸透圧
生食
154mEq/L
0g/L
308mOsm/L
ソリタ1号液
90mEq/L
26g/L
324mOsm/L
ソリタ2号液
84mEq/L
32g/L
346mOsm/L
ソリタ3号液
35mEq/L
43g/L
309mOsm/L
ソリタ4号液
30mEq/L
43g/L
299mOsm/L
5%グル
0mEq/L
50g/L
278mOsm/L
生食は、点滴後、細胞内:細胞外組織:血管内=0:3:1で分布する。
5%グルは、点滴後、細胞内:細胞外組織:血管内=8:3:1で分布する。

【Take-home messages】
  1. ウイルス性胃腸炎に対する五苓散(NO17)の有用性
  2. NaCl 1g = 17mEq・・・塩沢ときの第一法則
  3. ブドウ糖とNaClのモル比が1になるための砂糖と塩のg比は11.7である。・・・塩沢ときの第二法則
【参考文献】

2011年3月21日月曜日

公園の河童

 前回のSEAで出てきた「κ統計値(Cohen's kappa)」について掘り下げてみました。

κ統計値の意義と計算法:
 インフルエンザを多く診てきて、咽頭後壁に出来る上咽頭から縦に襞状にカーテンのように降りてくるリンパ濾胞の腫大が所見として特異性が高い印象を持っていました。文献検索をしてみましたが、そのような文献は見つけることができず、プチリサーチをしてみた結果が、下記tableです。

迅速検査陽性
 迅速検査陰性
 計
咽頭後壁襞状リンパ濾胞あり
3
1
4
咽頭後壁襞状リンパ濾胞なし
2
4
6
5
5
10
 迅速検査をGolden Standardとすると、咽頭後壁襞状リンパ濾胞の検査特性は、感度=3/5=0.6、特異度=4/5=0.8となります。これは、迅速検査がある程度正しい場合に、咽頭所見の妥当性(validity)、確度(accuracy)、つまり的中の度合いを示しています。[1]しかし実際には、迅速検査自体が、そんなにあてになる検査ではないので、せいぜいで検査結果の信頼性(reliability)、精度(precision)、つまりブレない度合いを評価するほうが良いと思われます。
 実際の計算は、判断の一致率をPo,偶然の一致率をPeとすると、以下の式で表される。[2]
κ統計値=(Po-Pe)/(1-Pe)
例のように、カテゴリー数が陽性と陰性というふうに2つの場合、以下のように比較的簡単に筆算でも計算することができます。
Po=実際の一致率=(3+4)/10=0.7
陽性結果が偶然一致する確率=4/10*5/10=0.2
陰性結果が偶然一致する確率=6/10*5/10=0.3
Pe=結果が偶然一致する確率=0.2+0.3=0.5
κ値=(0.7-0.5)/(1-0.5)=0.4
 カテゴリー数が多く計算が面倒な場合には、Rなどの統計ソフトを使うのが便利です。fmsbパッケージを使った例の計算の場合のスクリプトを示します。fmsbパッケージは、上掲書で使われた有用な関数をまとめたものです。
> install.packages("fmsb") #fmsbパッケージをインストールします
--- このセッションで使うために、CRANのミラーサイトを選んでください ---
URL 'http://cran.md.tsukuba.ac.jp/bin/macosx/leopard/contrib/2.12/fmsb_0.2.tgz' を試しています
Content type 'application/x-gzip' length 78762 bytes (76 Kb)
開かれた URL
==================================================
downloaded 76 Kb
ダウンロードされたパッケージは、以下にあります /var/folders/cb/cbprP5nfG7Ciei1Q9q4QaU+++TI/-Tmp-//RtmpyRYuFO/downloaded_packages
> library(fmsb) #fmsbパッケージの読み込み
> Kappa.test(matrix(c(3,1,2,4),2,2,byrow=T)) #
$Result
Estimate Cohen's kappa statistics and test the null hypothesis
that the extent of agreement is same as random (kappa=0)
data: matrix(c(3, 1, 2, 4), 2, 2, byrow = T)
Z = 1.2649, p-value = 0.1030
95 percent confidence interval:
-0.1680515 0.9680515
sample estimates:
[1] 0.4
$Judgement
[1] "Fair agreement"
>
Rを使うと、カテゴリー数が多くなっても計算できること、95%信頼区間まで計算してくれること、Landis and Koch[3]の基準による判定までしてくれるというメリットがあります。

κ統計値の応用:
 κ統計値は前回のSEAでのように身体所見の信頼性を検討する文献などで用いられることが多いのですが、今回は先日完結したドラマERにトリビュートして、ドイツの医師会誌"Deutsche Ärzteblatta"の国際版に発表された救急外来でのトリアージシステムを比較検討した文献[4]を紹介します。以下に見るように、ESIの基準が信頼性が高いようです。その理由は、"ESI Handbook"の図2-1のアルゴリズムを見ると一目瞭然なのですが、「KISSの原則」に則っているということがあるようです。
Manchester Triage Scale (MTS)
  • 成人患者における4つの解析 (n = 50〜167)で、κ = 0.31〜0.62
Australasian Triage Scale (ATS)
  • 成人患者における6つの解析 (n = 20〜3,650)で、κ = 0.25〜0.56
Canadian Triage and Acuity Scale (CTAS)
  • 成人患者における8つの解析 (n = 50〜32,261)で、κ = 0.68〜0.89
  • 小児患者における4つの解析 (n = 54〜1,618)で、κ = 0.51〜0.72
Emergency Severity Index (ESI)
  • 成人患者における12の解析(n = 202〜3,172)で、κ = 0.46〜0.91
  • 16歳未満の小児患者における1つの解析(n = 150)で、κ = 0.82
参考文献
[3] Landis JR, Koch GG. The measurement of observeragreement for categorical data. Biometrics 1977; 33: 159-74.
[4] Dtsch Arztebl Int. 2010 December; 107(50): 892–898. Modern Triage in the Emergency Department

2011年3月10日木曜日

【番外】ドラマ「ER緊急救命室」完結

 1995年1月17日兵庫県南部地震、3月20日地下鉄サリン事件と続き、日本の安全神話が崩れ去った時代精神(Zeitgeist)のなか、1996年4月1日に「ER緊急救命室」の日本での放映は始まった。それから15年が経ち、本日最終話、第331話を迎えた。そのリアリティから多くの医療関係者の視聴者を獲得した。臨床医学でインパクトファクターがトップの雑誌NEJMでのネタにまでなった[1]ことからもその影響力が窺えよう。個人的には、様々な医学的な事項を学んだり、アメリカの医療制度を知ったりする契機になった。そしてなにより、神ではない医師たちの群像に安堵したものだ。
 このドラマのもとになったのは、ドラマの監修者マイケル・クライトン自身が1960年代後半にMGHのERで研修したときに経験したアメリカ医療の問題点を描いた「五人のカルテ」という小説である。小説と呼ぶには少し変わったスタイルで、症例呈示をしながら、その医学的背景の歴史や制度の解説を加えるという体裁をとっていて、正直、ストーリーとして楽しめるものでもない。しかし、現代のアメリカの医療が抱えている問題を正確に予言しているのは驚異的な洞察力で、ドラマに親しんだあとに読むと、内容の理解に深みが増すのはうけ合いである。

 今日のラストシーンでは、カーター先生が、亡き恩師グリーン先生の娘レイチェルをERに招き入れ、カメラが引いてCounty General Hospitalの全景が、初めて映しだされる。15年間に数多くの生死や恋愛の舞台となってきたERが、実は、大病院の一部門であり、さらには病院の前を電車が横切り、その大病院でさえも社会のごく一部であるというあたりまえの現実を最後に突きつけている。示唆的なシーンである。

参考文献
[1] Cardiopulmonary Resuscitation on Television — Miracles and Misinformation
Susan J. Diem, M.D., M.P.H., John D. Lantos, M.D., and James A. Tulsky, M.D.
N Engl J Med 1996; 334:1578-1582June 13, 1996

2011年2月23日水曜日

アナムネ聴取に役立つ3つでもニーモニック

 前回の「チームSTEPPS」に出てきた"STEP", ”I’M SAFE”, "CUS", "DESC", "S-BAR", "I PASS the BATON"のような英語の頭文字をつなげて記憶の助けにするものをニーモニック(mnemonic)と呼ぶ。正確には、アクセントの位置が2音節目にあるので、「ナニク(生肉)」というほうが原音に近いのだろうが、ここでは慣例的な表記に従う。日本語でいう語呂合わせみたいなもの。洋の東西を問わず、医学の学習は記憶すべきことが膨大で、英語でも"MedicalMnemonics.com"なるサイトがある。ここから、アナムをとるときに役立つニーモニックを3つ紹介したい。

1. SAMPLE:JATECのsecondary surveyにおける病歴の聴取
  • Signs and Symptoms: 症状は?
  • Allergies: 薬や食べ物のアレルギーは?アスピリン喘息は?
  • Medications:  処方薬、OTC薬、置き薬、サプリ、通販薬、合法ドラッグ、麻薬
  • Past History, Pregnancy, Perinatal period: 過去に同様なことは?既往歴は?妊娠、授乳は?
  • Last Oral Intake: 最後に何をいつ口に入れた?
  • Events Leading up to Illness/Injury: どうしてこんなことに?思い当たることは?
2.LET’S HEAR:「説明モデル」
 説明モデルとは、病いに対する解釈の枠組みのことで、医療者と患者では内容は異なっても、その枠組は共通している。そして、患者のそれを知ることは、Narrative-Based Medicineそのものと言える。詳細は、医療人類学の泰斗Arthur Kleinman氏の論文[1]や和訳されている上掲書に詳しい。
  • Label どんな病気?
  • Etiology 病気の原因は?
  • Timing 病気になった時期は?
  • Severity どのくらい重い?
  • History どういう経過でこれからどうなりそう?
  • Effect 心身に与える直接的な影響、症状とか心理的反応。
  • Affect 上記により二次的にQOLに与える影響。家事、仕事に及ぼす影響。
  • Remedy どういう対処をしてこれからどういう治療を希望するか?
3. ASQ LAST:疼痛の症状解析:「まず患者の語りを聴いて、閉じた質問は最後に。」という意味を掛けてある。
  • Aggravating and Alleviating Factors 憎悪・緩和因子
  • Severity 程度
  • Quality 性状
  • Location 部位
  • Associated Symptoms 随伴症状
  • Setting 開始
  • Timing 経過
研修医の先生が別な覚え方を披露をしてくれた。
  • 性か慢性か
  • きけをはじめとする随伴症状
  • ジエーション、放散を含めた部位
  • んし、症状を増悪あるいは改善させるもの。
  • イムコース
 特に痛みの性状に関しては、方言や言語により違いがあることに配慮が必要である。津軽弁に関しては、青森民医連で津軽弁講座が開かれていたりデータベースが作られたりという取り組みがある。英語の場合、McGill Pain Questionnaire[2]というものがある。下記のリストで自分の痛みを表す語を各群で1つのみ選択し、丸で囲む。1~11群で選んだものを3語、11~15群で選んだものを2語、16群で選んだものを1語、17~20群で選んだものを1語に絞り、定量化するという方法である。
1群 (temporal): Flickering(1), Pulsing(2), Quivering(3), Throbbing(4), Beating(5), Pounding(6)
2群(spatial): Jumping(1), Flashing(2), Shooting(3)
3群(punctate pressure): Pricking(1), Boring(2), Drilling(3), Stabbing(4)
4群(incisive pressure): Sharp(1), Cutting(2), Lacerating(3)
5群(constrictive pressure): Pinching(1), Pressing(2), Gnawing(3), Cramping(4), Crushing(5)
6群(traction pressure): Tugging(1), Pulling(2), Wrenching(3)
7群(thermal): Hot(1), Burning(2), Scalding(3), Searing(4)
8群(brightness): Tingling(1), Itchy(2), Smarting(3), Stinging(4)
9群(dullness): Dull(1), Sore(2), Hurting(3), Aching(4), Heavy(5)
10群(sensory miscellaneous): Tender(1), Taut(2), Rasping(3), Splitting(4)
11群(tension): Tiring(1), Exhausting(2)
12群(autonomic): Sickening(1), Suffocating(2)
13群(fear): Fearful(1), Frightful(2), Terrifying(3)
14群(pinishment): Punishing(1), Grueling(2), Cruel(3), Vicious(4), Killing(5)
15群(affective-evaluative-sensory: miscellaneous): Wretched(1), Binding(2)
16群(evaluative): Annoying(1), Troublesome(2), Miserable(3), Intense(4), Unbearable(5)
17群(sensory: miscellaneous): Spreading(1), Radiating(2), Penetrating(3), Piercing(4)
18群(sensory: miscellaneous): Tight(1), Numb(2), Squeezing(3), Drawing(4), Tearing(5)
19群(sensory): Cool(1), Cold(2), Freezing(3)
20群(affective-evaluative: miscellaneous): Nagging(1), Nauseating(2), Agonizing(3), Dreadful(4), Torturing(5)
【参考文献】
[1] Arthur Kleinman. Culture, Illness, and Care: Clinical Lessons from Anthropologic and Cross-Cultural Research Ann Intern Med February 1, 1978 88:251-258.
[2] Melzack R. The McGill Pain Questionnaire: major properties and scoring methods. Pain. 1975 Sep;1(3):277-99.

2010年10月29日金曜日

【補遺】100bpmの音楽

 心臓マッサージのための100bpmの音楽をどうやって探すか?という質問があったので、Googleで"CPR 100 bpm"とか"BLS 100 bpm"を検索するとお答えしたのだが、洋楽に関して言えば、もっといい方法がありました。
下2つは、DJの為にテンポで曲を探せるデータベースのようです。

2010年5月26日水曜日

急性膵炎診断と膵酵素に関して

 今日は、研修医の先生による症例報告と膵酵素の実地臨床における活用法のプレゼンでした。
 「急性膵炎」は思い出深い疾患の一つです。医師になって初めてIVHカテを挿入した疾患であり、オーベンから、疾患により対応のテンポを変えなければならないことを諭されたものだ。膵酵素がなかなか覚えられず、「アトリエ」とか語呂合わせで覚えた記憶も蘇る。それなりに経験を積んでクリニックに診療の場を移した今は、少なからず地雷疾患もあるのだが、ここ3年での急性膵炎は経験はゼロ。何故なんでしょう?そんな事情もあり、2010年版ガイドラインが出ていることなんて、今日まで知らなかった。他施設や研修医の先生との交流の大切さを実感した次第です。
 実際のプレゼンを個人情報を特定できないように改変して、"SlideBoom"というスライド共有サービスにアップし、下記に貼りつけてみました。