ラベル 高齢者医療 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 高齢者医療 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年2月5日水曜日

ユマニチュードの4本の柱


NHKで「ユマニチュード」の番組を観て、ネットで見つけた記事 "L'Humanitude, une philosophie au service des personnes âgées"の一部を訳してみた。

Cette méthode de soin repose sur un changement global de comportement des soignants :
本ケアメソッドはケア従事者の行動の世界的な変化に立脚する:
  • Le regard : Il doit s'échanger face à face, les yeux dans les yeux, à hauteur du visage ;
  • 眼差し:同じ高さで、顔と顔、目と目を交わす。
  • La parole : Elle doit annoncer et expliquer chaque geste ;
  • 語り:為すことを全て予め知らせ、声を掛けながら行う。
  • Le toucher : Il s'agit de transformer le "toucher utilitaire" en "toucher tendresse" ;
  • 触れ合い:「掴む」ことから「添える」ことへの転換が大切。
  • La verticalité : Exit les toilettes effectuées au lit et les patients qui ne quittent plus leur matelas. Pour Yves Gineste, une personne âgée correctement accompagnée peut et doit vivre debout. La verticalité est l'une des caractéristiques qui nous distingue des animaux, d'où l'importance de lever la personne.
  • 直立:床上での排泄や寝たきり患者をなくす。イブ・ジネストにとって、正しく付き添えば、高齢者は起きて生活できる。直立は、我々が動物と異なる特性の一つであり、そこに人を起こすことの大切さがある。
La mise en oeuvre de ces 4 préceptes doit permettre une meilleure écoute et une amélioration des soins, à condition bien sûr d'agir en fonction des situations et des personnes.
この4つの教えを実践すると傾聴が可能となり、ケアが改善する。状況と高齢者に応じた行動をするという条件付きだが。

参考文献


2013年7月11日木曜日

「コウノメソッド」

「コウノメソッド」とは、名古屋フォレストクリニックの院長、河野和彦先生が提唱する認知症治療の極意。

著書を拝読した限りでは、患者や介護者の身になった治療方針やその経験と裏打ちする知識の深さには、ただ感服するばかりである。ただ、論の展開が性急で、語り口の断定調が、胡散臭さを醸し出している点が残念。

まずは、クリニックのホームページで要旨が公開されているので、試してみて、それぞれが判断するのがいいのかもしれない。参考として、御本人が何を重視されているか、コウノメソッド実践医加入条件を引用しておく。
【加入の条件】
実践医: 
  • パーキンソニズムのある患者には、アリセプトの少量投与が処方できる体制にあること(相対条件)。 少量投与できなければリバスタッチパッチなどを代わりに処方すること。
  • シチコリン注射を施行できる。フェルガード類の効果を否定しない。河野医師の処方が奏功している 患者が来院した場合、紹介状がなくてもその処方になるべく近いものを処方できる。 
協力薬剤師:
  • オーダーメイド処方の大切さを理解し、実践医と協調して難しい調合をすることができる。 抗うつ薬、リスパダールの怖さを理解している。 
協力看護師:
  • ニコリン注射の医師の指示のもとで打つことができる。地元から指示が出ない場合は、 河野和彦医師か もよりの実践医から指示を仰ぐ。
【加入後の権利】
  • 河野医師にメールか FAX で難治患者の診断、治療、調合などについての質問ができる。いつでも脱退できる。
参照:かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」 厚生労働省

2013年6月24日月曜日

主治医意見書

特定疾患一覧
  1. がん末期
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病)
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
ランク J:何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
ランク A:屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
ランク B:屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
1.車いす(wheelchair)に移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
ランク C:1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1.自力で寝返り(roll-over)をうつ
2.自力では寝返りもうたない

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
ランク Ⅰ :何らかの認知症 を有するが、日常 生活は家庭内及 び社会的にほぼ 自立している。 在宅生活が基本であり、一人暮らしも可能である。相談、指導等を 実施することにより、症状の改善や進行の阻止を図る。 具体的なサービスの例としては、家族等への指導を含む訪問指導や 健康相談がある。また、本人の友人づくり、生きがいづくり等心身の 活動の機会づくりにも留意する。
ランク Ⅱ :日常生活に支 障を来たすよう な症状・行動や 意思疎通の困難 さが多少見られ ても、誰かが注意 していれば自立 できる。
Ⅱa 家庭外で上記 Ⅱの状態がみら れる。 たびたび道に迷うとか、買 物や事務、金銭管理等それま でできたことにミスが目立つ 等
Ⅱb 家庭内でも上 記Ⅱの状態がみ られる。 服薬管理ができない、電話 の応対や訪問者との対応等一 人で留守番ができない等 在宅生活が基本であるが、一人暮らしは困難な場合もあるので、訪 問指導を実施したり、日中の在宅サービスを利用することにより、在 宅生活の支援と症状の改善及び進行の阻止を図る。 具体的なサービスの例としては、訪問指導による療養方法等の指導、 訪問リハビリテーション、デイケア等を利用したリハビリテーション、 毎日通所型をはじめとしたデイサービスや日常生活支援のためのホー ムヘルプサービス等がある。
ランク Ⅲ :日常生活に支 障を来たすよう な症状・行動や 意思疎通の困難 さが見られ、介護 を必要とする。
Ⅲa 日中を中心と して上記Ⅲの状 態が見られる。 着替え、食事、排便、排尿 が上手にできない、時間がか かる。 やたらに物を口に入れる、 物を拾い集める、徘徊、失禁、 大声、奇声をあげる、火の不 始末、不潔行為、性的異常行 為等 日常生活に支障を来たすような行動や意思疎通の困難さがランクⅡ より重度となり、介護が必要となる状態である。「ときどき」とはどの くらいの頻度を指すかについては、症状・行動の種類等により異なる ので一概には決められないが、一時も目を離せない状態ではない。 在宅生活が基本であるが、一人暮らしは困難であるので、訪問指導 や、夜間の利用も含めた在宅サービスを利用しこれらのサービスを組 み合わせることによる在宅での対応を図る。 具体的なサービスの例としては、訪問指導、訪問看護、訪問リハビ リテーション、ホームヘルプサービス、デイケア・デイサービス、症 状・行動が出現する時間帯を考慮したナイトケア等を含むショートス テイ等の在宅サービスがあり、これらを組み合わせて利用する。
Ⅲb 夜間を中心と して上記Ⅲの状 態が見られる。 ランクⅢa に同じ
ランク Ⅳ :日常生活に支 障を来たすよう な症状・行動や 意思疎通の困難 さが頻繁に見ら れ、常に介護を必 要とする。 ランクⅢに同じ 常に目を離すことができない状態である。症状・行動はランクⅢと 同じであるが、頻度の違いにより区分される。 家族の介護力等の在宅基盤の強弱により在宅サービスを利用しなが ら在宅生活を続けるか、または特別養護老人ホーム・老人保健施設等 の施設サービスを利用するかを選択する。施設サービスを選択する場 合には、施設の特徴を踏まえた選択を行う。
ランク M 著しい精神症 状や周辺症状あ るいは重篤な身 体疾患が見られ、 専門医療を必要 とする。 せん妄、妄想、興奮、自傷・ 他害等の精神症状や精神症状 に起因する周辺症状が継続す る状態等 ランクⅠ~Ⅳと判定されていた高齢者が、精神病院や認知症専門棟 を有する老人保健施設等での治療が必要となったり、重篤な身体疾患 が見られ老人病院等での治療が必要となった状態である。専門医療機 関を受診するよう勧める必要がある。

参考:主治医意見書記入の手引き

2013年6月7日金曜日

【本】東大がつくった高齢社会の教科書

タイトルに敢えて「東大が作った」という言葉を入れることで、それに誘われる読者層の獲得しようとしたことが想像される。しかし、その内容はいたって硬派。幅広い人に真剣に高齢社会を考えて欲しいという執筆者の危機感が感じられる。この本を教科書とした第一回高齢社会検定試験の開催も、そのような危機感からくるものでしょうか。

具体的な本の紹介については、車輪の再発明は避けて、目次は新元社のサイトを、書評については、ニッセイ基礎研究所の発行の解説をご覧ください。

蛇足ながら、個人的な感想を付け加えると、各医療機関が患者としての高齢者のみならず、地域社会にアプローチする部門及びそのための資源(人材、予算)の投入が早急に必要であろうということ。

2010年10月13日水曜日

終の住処

今日は、MSWの方から「終の住処」としての住宅や施設についての講義があった。
  1. 特別養護老人ホーム:要介護者が対象で、最も低コストであるが、施設不足のため42万人以上の待機者がいる。老健とは異なり、訪看、往診、他科受診が可能。
  2. ケアハウス :60歳以上の身の回りのことができる人が入居の対象で、食事のサービスなどがつく。
  3. 高齢者向け優良賃貸住宅:バリアフリーなどの一定の要件を満たした賃貸住宅のことで、収入に応じた家賃補助制度がある。
  4. 高齢者専用賃貸住宅(高専賃):高齢者のみを対象とする賃貸住宅で、民間の有料老人ホームのように高額な一時金を必要としない場合が多い。
  5. 住宅型有料老人ホーム:介護サービスは見守りなどの生活支援に限定され、介護が必要になった場合は各自で外部介護サービスを申し込む必要がある。
  6. 介護付き有料老人ホーム :介護サービス付きの有料老人ホームで、介護サービスを必要としない段階から必要とする段階まで住み続けることができる。 入居時の一時金や、毎月かかる費用などが高額。
資料・サイトとしては、下記のものを参照。
制度が非常に複雑で、ただでさえ認知機能が衰えてきている高齢者に利用しづらい制度設計になっている。サービスが利用者ではなく、権益確保を優先した、「パーキンソンの法則」の典型例となっているように思うのは、私のみではあるまい。

2010年4月14日水曜日

高齢者総合機能評価

下記資料をもとに高齢者の総合的機能評価の講義であった。ガイドラインに挙げられているCGA7を引用すると、
高齢者総合的機能評価簡易版(CGA7)
  1. 意欲(Vitality Index):外来または診察時や訪問時に、被検者の挨拶を待つ自分から進んで挨拶をする=○返事はするまたは反応なし=×
  2. 復唱(HDS-R):これから言う言葉を繰り返して下さい。あとでまた聞きますから覚えておいてくださいね。:桜、猫、電車可能=○ 不可能=×(できなければ(4)認知機能は省略)
  3. 交通機関の利用(Lawton & Brody)外来:ここへはどうやって来ましたか?それ以外の場合:普段一駅離れた町へどうやって行きますか?自分でバス、電車、タクシ−、自家用車を使って旅行=○付添が必要=×
  4. 遅延再生(HDS-R)先程覚えていただいた言葉を言ってください。ヒントなしで全部可能=○ 左記以外=×
  5. 入浴(Barthel Index):お風呂は自分1人で入って、体を洗うのも手助けはいりませんか?自立=○ 部分介助または全部介助=×
  6. 排泄(Barthel Index):漏らすことはありませんか?トイレに行けないときは、尿瓶は自分で使えますか?失禁なし、集尿器自立=○ 左記以外=×
  7. 情緒・気分(GDS):自分が無力だと思いますか?いいえ=○ はい=×
*あくまでスクリ−ニングなので、異常(×)が検出された場合は、【標準的版】で評価することが必要
とのことだが、高齢者の自尊心を傷つけるHDS-Rが2項目も入っており、極めつけが質問7。個人的には使いたくない代物。むしろ藤沼 康樹先生が訳された「プライマリ・ケア老年医学」のDEATH SHAFTを高齢者本人の語りの中から埋めていくのが実用的である。
D-Dressing(着る)
E-Eating(食べる)
A-Ambulating(歩く)
T-Toileting(トイレ)
H-Hygiene(衛生(入浴))

S-Shopping(買い物)
H-Housekeeping(そうじ)
A-Accounting(お金の管理)
F-Food preparation(調理)
T-Transport (乗り物を使う)
資料
  • 井藤 英喜: “高齢者に対する総合機能評価の有用性と限界”. 日老医誌 (2006); Vol. 43: 690-692 .[PDF]
  • 東京大学医学部附属病院老年病科第3研究室講義資料「高齢者総合的機能評価