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2013年7月7日日曜日

重篤副作用一覧


重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け)」を再構成したリンク集です。個人的な用途で作りましたが、折を見て更新します。

神経・筋骨格系
精神
感覚器

口腔
循環器
呼吸器
消化管・肝・膵
腎臓・泌尿器
代謝・内分泌
血液
皮膚
がん
  • 手足症候群:例)カペシタビン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、フルオロウラシル、テガフール・ウラシル、ソラフェニブ、スニチニブ

2010年9月15日水曜日

漢方とは?

今回は、薬剤師から漢方の概論についての講義でした。

漢方の原則
西洋医学のゴールが、母集団の共時的な平均(μ)で、一神教的であるのに対し、漢方でのゴールは、各患者の良好な健康状態、つまり経時的な平均で、多神教的である。テーラーメイド・メディシンと言われる所以である。
漢方の理論
患者の理想的な健康状態と現在の状態を結ぶベクトルが証であり、その証を言語化するための基準が八綱弁証(表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽)である。なかでも虚実の判断は、攻めの治療をするか守りの治療をするかの軸となるので重要。西洋医学でも、「活き」がいいから、手術、「活き」が悪いから保存的治療とか判断しますね。

漢方の診察
  1. 望診:視診のこと。西洋医学と異なるのは、舌の診察が重要視されること。
  2. 聞診:聴診のこと。当時は、聴診器がなかったので、声とか咳とかを聴きました。臭いも聞診に入ります。
  3. 問診:西洋医学と変わりません。現代ではシステミック・レビューや高齢者総合機能評価として体系化されていますが、病気の経過以外に、寒熱、汗、頭、耳、口、身体、飲食、排泄、四肢、婦人の月経妊娠を網羅することが大切です。
  4. 切診:現代の身体診察、検査に該当するものです。漢方で特徴的なのは、脈診や腹診がきめ細かいことです。
ナンバリングしたのは、この順番で優先順位があるからです。望診と切診が矛盾するときは、望診の判断を優先します。
漢方の副作用
もっとも頻度が高いのは、ツムラ128製剤のうち94製剤に含まれる甘草による偽アルドステロン症である。その他重篤な副作用に付いては、ツムラのHPに詳しい。
その他FAQや西洋薬との使い分けについて説明がありました。

2010年7月14日水曜日

クスリのリスクを知る3(つ)の法則

抗MRSA薬ザイボックスTMのインタビューフォーム1によると、国内のデータでは、(1)血小板減少の副作用は、100例中19例、(2)味覚倒錯の副作用は0例であった。それぞれの副作用発生率の95%信頼区間はどのくらいだろうか?後者のように分子がゼロのリスクの95%信頼区間を3秒以内に答えることができるようになるのが今日のSBOで、右掲書に紹介されている「3の法則」。

それだけでは、間が持たないので、比率の95%信頼区間について3つの法則(公式)を並べてみた。

番目の法則:正規近似による母比率の信頼区間。(Wald法)

はじめに
本来なら、副作用の有無のようなカテゴリ変数の確率は二項分布に従うので、ClopperとPearsonの方法2のアルゴリズムを利用するのが、原理的には正確である。統計ソフトRの関数binom.testでは、その方法が採用されている。しかし、統計ソフトを使わないと計算が煩雑で、実用的とは言い難い。そこで実際には、nが充分大きいとき、二項分布B(n,p)が正規分布N(np,np(1-p))で近似されることを利用した下記の式が通常の統計学の教科書には紹介されている。
公式
p=s/nのとき、前提条件として、np > 10 かつ n(1 – p) > 10 であることが必要。
95%信頼区間=p±1.96×√(p(1-p)/n)
例題
(1) 0.19±1.96*sqrt(0.19*0.81/100)= 0.190±0.077 ∴ 11.3~26.7%
(2) np=0になるため計算不能
の法則:Agrestiと Coullの方法

はじめに
Agresti とCoull はWald の方法を修正したものを提案した3。「2の法則」というのは、副作用あり・なしのそれぞれに2例ずつ加える計算方法から名づけてみたもので、一般的な呼称ではありません。この方法では、s=0 の場合やs=nであっても信頼区間が計算でき、さらに、原理的には正確なはずのClopperとPearsonの方法よりも精度が高いと報告されています。
公式
p=(s+2)/(n+4)
95%信頼区間=p±1.96×√(p(1-p)/(n+4))
例題
(1) 21/104±1.96*sqrt((21/104)*(83/104)/104)=0.202±0.077 ∴ 12.5~27.9%
(2) 2/104±1.96*sqrt((2/104)*(102/104)/104) =0.019±0.026 ∴ 0~4.5%
3の法則:ゼロ分子のリスクの推定法

はじめに
「2の法則」で計算可能だが、なにせ面倒と思うのは私だけではないらしい。英語圏では、簡単な方法が医学雑誌の記事4、統計学の教科書5、Wikipedia6など広く紹介されている。原理は、(1-p)n=0.05の両辺対数を取って、n×ln(1-p)=ln(0.05)。テーラー展開の第二項以降をネグると、ln(1-p)≈-pなので、np= –ln(0.05) = ln(20) = 2.9957 ≈ 3
公式
上側95%信頼区間=3/n
例題
(1) 分子≠0なので計算不能。
(2) 3/100=0.03 ∴ 0~3.0%
 ちなみに、例題の副作用は、同じインタビューフォームによると、海外データでは2,367例中血小板減少が9例(0.38%)、味覚倒錯が24例(1.01%)だったそうです。薬剤師さんがメーカーに国内データと海外データの違いについて問い合わせて頂いたところ、理由は明らかではないが、下記の3点が考えられるとのことでした。
  1. 国内試験のほうが、高齢者・重症者が多かった。
  2. 国内外で有害事象の報告義務の程度が異なる。
  3. 海外治験が先行していたため、国内試験では骨髄抑制に注目が集まった。
文献
  1. ザイボックスのインタビューフォー厶http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/400079_6249002F1024_3_1F
  2. Clopper, C.; Pearson, E. S. (1934). "The use of confidence or fiducial limits illustrated in the case of the binomial". Biometrika 26: 404–413.
  3. Alan Agresti, Brent A. Coull Approximate Is Better than "Exact" for Interval Estimation of Binomial Proportions The American Statistician, Vol. 52, No. 2. (1998), pp. 119-126.
  4. Hanley JA, Lippman-Hand A. If nothing goes wrong, is everything all right? Interpreting zero numerators. JAMA. 1983 Apr 1;249(13):1743-5. http://www.medicine.mcgill.ca/epidemiology/hanley/Reprints/If_Nothing_Goes_1983.pdf
  5. Gerald van Belle "Statistical Rules of Thumb" http://www.vanbelle.org/chapters/webchapter2.pdf
  6. Wikipedia英語版 http://en.wikipedia.org/wiki/Rule_of_three_(medicine)

2010年6月23日水曜日

抗MRSA薬の適正使用について


今回は、薬剤師さんから抗MRSA薬の治療薬物モニタリング(TDM)の講義がありました。
TDMには2つの意義がある。
  1. 菌を減少させるのに有効な濃度に達しているかを確認すること(offensive TDM)
  2. 副作用を招くような濃度で推移してないかを確認すること(defensive TDM)
バンコマイシン(VCM)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前と投与終了30分後
  • 治療濃度:ピーク値 60 μg/ml以下、トラフ値 (投与直前) 5~15 μg/ml
  • 副作用:腎障害、聴力障害
  • 用法・用量:40kg以上の成人には1回1gで1日2回投与する。40kg未満の成人または65歳以上の患者には1日1回1gを投与する。1時間以上かけて点滴静注しないとRedneck症候群が起こることがある。
テイコプラニン(TEIC)(タゴシッド®)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前
  • 治療濃度:トラフ値 (投与直前) 10~20μg/mL
  • 副作用:肝障害
  • 用法・用量:成人には初日は初日負荷量として1回400mgを1日2回30分で点滴静注、2日目以降は維持量として1回400mg を1日1回30分で点滴静注する。
アルベカシン(ABK)(ハベカシン®)
  • 血中濃度測定:投与開始3日目以降の投与開始前と投与終了30分後
  • 治療濃度:ピーク値 9~20 μg/mL、トラフ値 (投与直前) 2 μg/mL以下
  • 副作用:腎障害、聴力障害
  • 用法・用量:成人には1日1回150~200mgを30分で点滴静注する。
リネゾリド(LZD)(ザイボックス®)
  • TDMは不要とされる。
  • 副作用:骨髄抑制、視神経障害
  • 用法・用量:1日1200mgを2回に分け投与。
参考資料